【新唐人2016年11月27日】
10年前にシドニーの駐オーストラリア中国領事館から亡命し世界を驚かせた元一等書記官の陳用林(ちん ようりん)氏が、長い沈黙を破り、オーストラリアで中国人スパイが急増し、ハイテクや軍部にまで及んでいると警鐘を鳴らしました。
中国の元外交官だった陳氏は2005年、中国政府がオーストラリアで1000人の工作員と情報員から成るネットワークを運営していると明らかにしました。
陳氏は新唐人の取材に対し、中国人スパイの数は陳氏が中国を去った後も、増加し続けていると指摘しました。
元中国外交官 陳よう林氏:「政治の世界はもとより、ハイテクや政府機関、さらには軍隊の中にまでスパイが浸透しています。」
陳氏は、増加しているスパイは主に一時的なスパイであり、彼らは中国政府に情報提供を行っていると指摘しています。
元中国外交官 陳用林氏:「ここ数年間で、海外の華人ネットワークを通じ、大量のスパイが生まれています。とくに中国共産党に親睦的なサークルのリーダーなどは、中国政府のために情報収集を行っています。ネットワークの規模は非常に大きく、頻繁に人員が交替するので、スパイが何人いるのか具体的な数字は予測しづらくなっています。今では正式に登録しなくてもスパイになれ、彼らは特定の計画に利用されるだけなので、中国政府自身も大方の数しか把握していません。」
オースラリアラジオが今年8月に報じたところによると、2013年から2015年の間にオーストラリアの政界が中国関連企業から受理した献金は、550万オーストラリアドル(約4億6360万円)に上り、外国からの献金の最高額だといいます。在オーストラリアのアメリカ大使も、オーストラリアの政界に対する中国の浸透は驚くべきものだと指摘していました。
元中国外交官 陳用林氏:「オーストラリアにおける中国のネットワークは非常に規模が大きく、あらゆる方面で浸透を阻止することは難しくなっています。オーストラリア政府が警戒心を高め、中国の活動に制限を加えなければ状況を改善することはできません。」
陳氏は、昨年オーストラリアがダーウィン港を中国企業の嵐橋グループ(Landbridge Group)に99年間貸与することを認めたことを憂慮しています。
陳氏は、ダーウィン港は戦略的に非常に重要な場所で北部からの侵攻を防ぐ役割があるとし、オーストラリア政府は軽々しくこのような決定をするべきではなかったと言います。
元中国外交官 陳用林氏:「オーストラリアの元貿易投資部長のアンドリュー・ロブ氏が今年の8月末、嵐橋グループの高級経済顧問に就任していたというニュースが最近報道されました。ダーウィン港貸与のあの契約が結ばれたことと、このことに、疑問が生じるのではありませんか?」
かつてオーストラリアの秘密情報局局長と副国防長を務めた戦略専門家であるポール・ディブ氏は今年9月、オーストラリアに在住する大量の中国系住民はオーストラリアではなく中国に忠誠心を誓っていると警告しています。オーストラリアに暮らす約100万人の中国系住民のうちの3分の1は中国で出生しているほか、中国人留学生が14万人居住している事も危険だと指摘しています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com.tw/b5/20161124/video/184747.html(中国語)
(翻訳/白白 ナレーター/佐藤 映像編集/李)