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世界が注目する生体臓器摘出 中国に起きる変化とは?【世事関心】

2016年12月03日

【新唐人2016年12月04日】

6月中旬から、アメリカ政府とメディアは、中国共産党による臓器生体摘出の犯罪行為に対し、前例のない強い反応を見せています。

 

横河 時事評論家

「生体臓器移植問題において、中国共産党は2006年以来、これほど大きな圧力はなかったと思います」

 

中国共産党による生体臓器摘出の真相が暴かれて10年目。大量の証拠が浮上し、各国では関連立法が相次いでいます。

 

David Matas カナダ人権弁護士

「アメリカ国会はもう疑いと無関心の態度ではありません。これは前に向けて大きな一歩を進んだことでしょう。」

 

辛子陵 中国軍事学院出版社元社長

「これは習近平の反腐敗キャンペーンを応援する大きな力にもなるのでしょう。江沢民の勢力を取り除くために、良い条件が整いました。」

 

法輪功学習者に対する生体臓器摘出の真相が世界中に暴かれつつあり、中国の情勢に大きな変化が起きるのでしょうか?

 

世界が注目する生体臓器摘出 中国に起きる変化とは?

 

蕭茗

みなさん、こんにちは。【世事関心】、蕭茗(しょうめい)がお伝えします。

 

ここ最近、アメリカ政府とメディアは中国の「良心の囚人」への生体臓器摘出の問題について高い関心を寄せています。米国の国会で中国の生体臓器摘出に反対する343決議案が可決されたほか、CNN、VOA(Voice of America)などアメリカ・カナダの大手メデイアが詳細を報道しました。中国で起きた生体臓器摘出、その真相がまだ世界中に広く伝わっていませんが、ますます多くの人々の注目を集めているのは確かです。これにより中国政局にどのような変化が起きるのか、今回の【世事関心】で詳しく解説します。

 

2016年6月10日、米国国会は中国における生体臓器強制摘出を非難する343号決議案を国会で採決することを公表しました。

 

3日後の6月13日、米国会衆議院は全員賛成で、中国共産党による法輪功学習者及びその他の「良心の囚人」への強制的な生体臓器摘出の犯罪行為を即停止し、17年に渡る法輪功学習者への迫害を停止することを強く求める、343号決議を可決しました。すでに185人の国会議員が連署し当決議案への支持を表明しました。

 

米国下院議員 Ileana Ros-Lehtinen

「法輪功学習者たちは中国共産党が認める虐待対象となっており、臓器摘出の犠牲者になりやすいです。今回の決議案を通して中国共産党へ一つの明確なメッセージを伝えます。それはアメリカはこのような人権を踏みつける暴行、特に法輪功学習者への迫害に反対するということです。」

 

アメリカ下院議員 Eliot L.Engel

「中国共産党は宗教信仰だけを理由に法輪功学習者の臓器を奪って売買し、暴利を貪っています。このような行為は絶対に許されません。吐き気がするほど汚らわしいです。」

 

アメリカ下院議員 Chris Smith

「この決議案は重要な一歩を踏み出しました。加害者の責任を追及し、21世紀の最大の罪悪を暴露しました。彼らはここ17年間中国で法輪功の姿を消そうとしました。」

 

同決議案は、強制的な生体臓器摘出及び人体組織摘出に関与した中国人の入国を拒否し、その法律的実施状況の年度報告を提出することを米国務省に求めています。

 

長年の調査結果と事例報告により、中国では恐ろしい臓器提供システムが存在することが明らかになっています。監獄でオーダーを受けると死刑囚を処刑し、そこで取り出した臓器を病院に提供します。米政府及び国際宗教自由委員会が今年発表した報告によると、2015年だけで投獄、拷問され、最後に処刑された法輪功学習者は数千人に達しています。

 

アメリカの大手メディアのデトロイト・ニュース(Detroit News)は、「この決議案は、罪のない人を殺し、彼らの臓器を奪い取る犯罪行為は、即停止しなければならないと明確なメッセージを共産党に伝えている」と報道しました。

 

124年の歴史あるバージニア州の新聞、毎日進捗報(The Daily Progress)は、「343決議案は中国の人権改善を促進する一里塚である」と報道。

 

6月22日、ワシントンD.C.にあるナショナル・プレス・クラブ(The National Press Club)で、カナダ外務省前アジア大洋州局長デイビット・キルガー氏、カナダ人権弁護士デイビット・マタス氏、中国問題専門家のイーサン・ガットマン氏の共著、『虐殺(The Slaughter)』、『血まみれの臓器狩り(Bloody Harvest)』に関する最新情報を発表し、CNNが「中国は依然として大規模に囚人たちから臓器を奪い取っている」と報道しました。

 

報道では、中国で「良心の囚人」への強制臓器摘出が大規模で行われており、収集データの分析から、毎年行われる移植手術は6万から10万件にのぼると指摘しました。

 

ナショナル・プレス・クラブのウェブサイト、カナダの大手メディアなども当報告について報道しました。

 

6月23日、米国会外交委員会が開催した聴聞会ではVOA(Voice of America)、PBS(Public Broadcasting Service)などのメディアの熱い注目を集めました。聴聞会では人権弁護士デイビット・マタス氏、記者のイーサン・ガットマン氏、ハーバード大学のフランシス・デルモニコ教授、追跡国際の李祥春(り しょうしゅん)博士が証言しました。

 

デイビット・マタス氏とイーサン・ガットマン氏は中国における臓器狩りの数は予想を遥かに超え、150万件に登る可能性があると指摘。法輪功学習者が主なターゲットで、家庭教会のメンバーや、ウィグル族などの少数民族が被害者です。

 

カナダ人権弁護士 デイビット・マタス氏

「生体臓器狩りの被害者となった、法輪功愛好者の数は我々の想像を遥かに超えています。中国の移植量はいったいどのぐらいあるのでしょう。移植センターや病院のデータから、毎年1万件ではなく6万から10万件で、10万件の可能性が高いです。」

 

国際追跡調査組織の調査によると、過去10年間中国865軒の病院の9500人の外科医が大規模な臓器移植の手術を行ったと李祥春博士は指摘。当組織が共産党高官や外科医に対して行った電話調査では、中国共産党政治局常務委員、軍事委員会の副主席、政治局委員、元防衛長官、軍の兵站部の責任者、臓器摘出の現場を目撃した警備員、政法委員会の高官や、30名以上の移植外科医などが生体臓器摘出について証言しました。彼らの証言から、臓器は生きている法輪功学習者から摘出されたもので、江沢民元国家主席の指示を受けて行ったことがわかりました。

 

李祥春博士 法輪功迫害追跡調査国際組織

「これらの証言は臓器を奪われた。人の多くは生きている法輪功愛好者であり、共産党トップからの命令を受けて、行われたことがわかります。」

 

今回注目されるのは、いままで中国共産党における生体臓器狩りにあまり触れなかった米国のボイス・オブ・アメリカ(VOA)も数十日の間に、「中国当局は法輪功学習者から大規模に臓器狩りをやり続けている」、「良心の囚人は中国臓器移植の主な提供源」、「中国人体器官売買を暴露した新ドキュメンタリー」など内容深い報道を続々と出したことです。

 

蕭茗

米国政府とメディアがこれほど頻繁に決議、聴聞会、報道を行っていましたが、その理由はなんでしょうか?時事評論家横河(おか)博士にお伺いします。

 

中国における臓器狩りの問題が暴露されて10年目となりましたが、西側諸国がこれほど強い反応を見せたのは初めてです。これは一つの大きな進展とも言えるのでしょうか?

 

横河博士(時事評論家)

「これはとても大きな進展です。生体臓器狩りが暴露されてから、10年もたちましたが、最初の頃はその真相を知る人はとても少なく、真相を伝える努力に応じて、いいフィードバックは得られませんでした。しかしその努力が重ねると、だんだん影響が大きくなりました。皆さんご存知のように世界の中心はアメリカと欧州連合ですが、この二つの中心が皆生体臓器狩りを譴責、反対する決議案を出しました。現在中国共産党は統治危機に直面しているにつれ、西方に対する依頼も増加していますが、この状況下で西側諸国の立法機構が一致した意見を見せるということは、きっと大きな圧力を与えることになります。中国共産党にとって、2006年以来生体臓器移植においてこれほど大きな圧力はなかったから、大きな進展とも言えるでしょう。」

 

蕭茗

では、デイビット・マタス氏にこの343決議案についてどう見ているか聞いてみましょう。

 

カナダ人権弁護士 デイビット・マタス氏

「中国政府はカナダのウィニペグからきた弁護士の話は簡単に無視することができても、アメリカ国会が可決した決議案を無視することはできません。彼らは我々の調査報告には関心を持っておらず、記者会で報告結果を否定するぐらいのことしかやらなかったですが、国会を通した決議案には大きく反応しています。これによってこのこと(生体臓器摘出)を重視することができるでしょう。これは非常に重要だと思います。決議案がアメリカ国会を通すということは人々が受け止めていることを意味します。しかし最初のころは、人々は疑っており、これは本当なの?それが本当でも私にはあまり関係ない、など無関心の態度でした。しかし、10年経った今、アメリカ国会はもう疑いと無関心の態度ではありません。これは前に向けて大きな一歩を進んだことでしょう。」

 

2008年以降、多くの国では中国で「良心の囚人」の生体臓器摘出を非難する決議案を可決し、臓器移植を目的とする旅行を禁止する国もあります。詳細について雪莉(シュェ・リ)さんに紹介してもらいましょう。

 

雪莉

はい。6月13日にアメリア国会が中国の生体臓器移植に反対する決議案を出したほか、欧州連合、イスラエル、スペイン、アメリカ、オーストラリア、台湾なども臓器移植を目的とする旅行や、器官の密輸を禁止する法律を策定しました。

 

2007年8月、イスラエル政府はイスラエル患者に臓器移植の仲介を行っていた男四名を逮捕し、容疑者は、「臓器は中国大陸からの死刑囚、法輪功愛好者を含む良心囚からのものだ」と認めました。

 

この案件で、イスラエル内で中国での生体臓器狩りが広く知られ、2007年、220人のラビ、学者、政界人士らが、中国の生体臓器狩りに反対する連署を行いました。2008年、イスラエル政府は2012年4月から海外で提供源不明の臓器の移植を受けることを禁止し、保険会社による海外での臓器移植費用の支給を禁止しました。臓器売買者には刑事責任が追及され、不法な移植に処罰が与えられます。

 

2009年、スペインでは中国を含む全ての国で不法な臓器移植を受けたり、推し広めることを禁止しました。違反者は3年〜12年の懲役が下されます。

 

2011年6月、米国はビザ申請表DS-160に、「あなたは過去に強制的な人体器官または身体組織の移植に参加したことがありますか?」との内容を新たに追加しました。「はい」と答えた場合、ビザ発給は却下されます。

 

豪州も2013年3月、不法な臓器売買を刑事犯罪対象に入れました。

 

2014年7月9日、欧州委員会部長理事会は、人体器官販売禁止の条約を公表しました。

 

2015年6月12日、台湾立法院が修正した「人体器官移植条例」では、国内外で臓器移植まだ寄付する時、いずれも「無償」でなければならず、それに違反した場合、最高5年の懲役が下され、医師が仲介に関与した場合、許可証が取り消される可能性も考えられます。

 

蕭茗

政府の立法と決議案以外、医学界からも高い注目が集まっています。

 

2006年に設立され、7000人以上の会員を持つ「臓器強制摘出に反対する医師の会(DAFOH)」は、大量の医学分析や中国共産党における生体臓器摘出の証拠を世界中に公表しています。2013年、当会は臓器強制摘出に反対する署名活動を起こし、12月に、世界50ヵ国から集めてきた150万人の署名を国連人権理事会に提出しました。26-12011年10月、科学界で最も影響力のある10大人物と呼ばれるペンシルベニア大学生命倫理センターの元所長のアーサー・カプラン教授は、英医学雑誌、『ランセット(The Lancet)』で、中国の医学者からの臓器移植研究及び論文について、「受け入れない、発表しない、協力しない」ことを呼びかけました。現在、『アメリカ臓器移植(American Journal of Transplant)』、『アメリカ生命倫理 (American Journal of Bioethics)』、『臓器移植進展(American Journal of Bioethics )』、『臨床研究(Journal of Clinical Investigation )』など有名な医学雑誌がこの牽制運動に参加しています。

 

『ニューヨーク・タイムズ』は、2015年11月17日に『ランセット』で掲載された5人の医学専門家らの文章として、「中国は依然として囚人の臓器を摘出している」と報道しました。

 

2016年2月、「臓器強制摘出に反対する医師の会」はノーベル平和賞にノミネートされました。

 

27-1343決議案と国際メディアの報道が中国の政局にどのような影響を与えるか引き続き解説します。

 

蕭茗

ここ10年来、国際社会からの調査結果について中国政府は認めませんでした。中国外務省スポークスマンは、343決議案について「想像に溢れるが、根拠のない物語だ」と反駁(はんばく)し、中国政 府は臓器寄付において「厳しい法律規範」をもとに行っていると主張しています。しかし、343決議案は中国国内で大きな反響を呼びました。中国共産党元高官など多くの人が343決議案を支持し、生体臓器摘出の元凶、江沢民を即逮捕してほしいと表明しています。

 

鮑トウ 中国共産党中央委員会元総書記趙紫陽氏の政治秘書

「全世界がこの問題(生体臓器狩り)を注目しています。中国人も関心を持つべきです。もし前政権が犯した犯罪と一線を引きたいのなら、現政権は真実を全世界に明らかにするべきです。このチャンスを失ってはいけません。このことは中国政府に大きな影響を与えるべきです。この問題において、反省しなければなりません。もう10年も経ちました。何の結論もないというのは酷すぎます。これらのことは中国で起きたものですから、中国の議会いわゆる人大(人民代表大会)がなんらかの態度を示さなければなりません。」

 

羅宇 中国軍総参謀部元航空装備処長

「法輪功愛好者を含む良心囚の臓器強制摘出に反対する決議案がアメリカ国会で全員賛成で可決されました。アメリカは中国と仇がありません。中国共産党の総書記がこのような犯罪が中国で起きていることを許してはいけません。実はこれは習近平ではなく、江沢民が犯した罪です。アメリカの決議案は中国の知識人に全世界が注目していることを表明しました。この事は証拠が確実なのです。全世界を愚か者にしているなら、中国共産党の外務省こそが最大級の愚か者でしょう。」

 

辛子陵 中国軍事学院出版社元社長

「まず アメリカの正義のある行動はとても大きい影響を与えました。現在ヨーロッパ、カナダなどの議会や人権組織でも(中国の生体臓器狩り)を非難しています。次は、習近平の反腐敗キャンペーンを応援する大きな力にもなるのでしょう。江沢民の勢力を取り除くために、良い条件が整いました。江沢民を逮捕することに全世界が応援するという大きな国際世論が作り上げられました。」

 

萧茗

本局のベテラン評論家、文昭(ぶんしょう)さんの解説を聞いてみましょう。アメリカ政府が中国共産党による生体臓器摘出に反対する一連の行動は中国政局に衝撃を与えると思いますか?

 

文昭 新唐人ベテラン評論家

「海外で臓器狩りの真相が暴かれたのは中国現政権に対し警告の作用を働きます。アメリカは世界をリードしているので、アメリカの態度は広い範囲で影響を与えます。しかもこのこと(臓器摘出の反対)を推し進める弁護士や国会議員らも、ここでやめようとしないので、生体臓器摘出の議題はだんだんと政府の間や国際組織活動の一般的な話題となるほかありません。ですから中国の指導者がこの世界と付き合う限り、この問題を逸らすことはできません。彼がもし認めないなら、この問題においてある程度の責任を負うことになるので江沢民以降の中国共産党の指導者らは法輪功の問題にあまり触れませんでした。しかしいずれは直面しなければならないので、早いほうがいいです。中国共産党の一部の悪人たちは、悪事を働けば働くほど、時間が伸ばされればされるほど、一部の責任を現任の指導者に負わせることができると思っています。だから国際社会からの圧力は逆に彼らにもっと悪事を働かせる刺激剤になるかもしれません。この意味でいうと現任の指導者に残された時間とチャンスは僅かです。」

 

萧茗

中国は現在十字路に立っています。世界にとっても同じです。グロバールの影響で中国の暴政統治にあった集団殺戮の罪が世界中に広まり、全世界を罪悪に巻き込んでいます。臓器移植旅行に参加した患者、仲介、臓器移植関連薬物や技術を提供する医療界、真相を知っていながらも、様々な利益のために口を封じた政府、メディア、資金を提供する投資家などなど。彼らが現在或いは、過去に演じた役割とは何でしょうか。将来一人一人の行いを公正に評価するその日がやってきます。しかし、今なら選ぶチャンスがあります。生体強制臓器摘出といった人類の道徳を超えた罪悪に対し大きな声で「ノー」と言うのか、それともその邪悪の一部になるのか?光明と未来、暗闇と沈淪どれを選ぶのか、これは人類が直面している大きな問題かもしれません。ご視聴、ありがとうございました。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/06/29/a1273619.html(中国語)

(翻訳/吉田 ナレーター/佐藤、根本、淳萌 映像編集/李)

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