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専門家 中国の汚染指標は世界一【禁聞】

2016年12月11日

【新唐人2016年12月11日】

ここ数日、中国の南北の都市100か所以上が深刻なスモッグに見舞われました。中国環境保護部は、ほとんどの大気汚染物質について排出量が世界一であることを認めました。ある評論家は、重汚染物質のほとんどが世界の工場である中国で生産されており、これが汚染指標が世界一高い原因ではないかと分析しています。

 

中新社は5日、中国の北から南にかけた広範囲で2日以降大気汚染が発生していると伝えました。華北、華東、華南および甘粛(かんしゅく)、新疆(しんきょう)などの西北地区の100か所以上の都市に及びました。

 

大気汚染は持続しており、5日には石家荘(せっかそう)や邯鄲(かんたん)では大気汚染が基準値を超え、上海でも同日、重汚染を警告するブルーシグナルが発令されました。環境保護部主任技師の王金南(おう きんなん)氏は4日、広東(かんとん)省肇慶(ちょうけい)市で開かれた「2016中国環境保護上場企業サミット」で、現在中国が排出する二酸化炭素を始めほとんどの大気汚染物質の量は世界一であることを認めました。

 

江蘇省 環境保護活動家・呉立紅さん:「私が子供の頃の空気はとてもきれいでした。青空に白い雲が浮かび、景色は美しかったのに、なぜ今はこれほど大気汚染が深刻なのか?それは改革開放政策で30年以上にわたり工業化した結果です。大型の製鉄所や化学工場は大気と土壌の汚染だけでなく爆発も起こしました。さらにごみ焼却やPX工場、自動車の排気ガス、これが主な原因です。」

 

工業・情報化部省エネ司環境保護処の雷文(らい ぶん)処長は国内メディアに対し、中国はこの10年来、省エネ、排出削減、環境保護方面において多大な労働力と物資を投入してきたものの、汚染度の高い生産モデルを根本から変えることはできなかったと話しています。

 

雷文処長はまた、工業汚染排出は依然として大気汚染の最も主要な汚染源であり、「二酸化炭素排出が全国に占める割合は90%、窒素酸化物70%、煤塵(ばいじん)85%」と公表しています。

 

これに対し江蘇省で環境保護活動を行う呉立紅(ごりつこう)さんは、なぜ高汚染企業を閉鎖しないのかと疑問を投げかけています。

 

江蘇省 環境保護活動家・呉立紅さん:「化学工業や鉄鋼業、PX工場、ゴミ焼却場など、多くのエネルギーを消費し環境を汚染する企業が、なぜ閉鎖されないのでしょうか?」

 

北京の環境保護活動家・張峻峰さん:「閉鎖したら税収の問題が絡むので、地方政府は内心やりたくないのです。各地区の工業や工場は、大きな税収をもたらすため、これらの企業が閉鎖されてしまうと、地方政府の収入は減り、公務員に給料を出せなくなる、この様な苦境に直面するでしょう。」

 

呉立紅さんは、多くの官僚が汚染企業の空株を持っているほか、地方政府がこれらの企業からどれだけの税収を集めるかによって、業績が計られるといいます。

 

また北京の環境保護活動家の張俊峰(ちょうしゅんほう)さんは、中国各地で重度汚染を引き起こしている企業は非常に多く、管理も困難であると話しています。

 

北京の環境保護活動家・張俊峰さん:「深刻な汚染をもたらす物質生産の拠点は、そのほとんどが中国にあります。これが現状です。世界中で中国の商品が使われているのです。家庭や個人で日常的に使われています。とくに途上国で使用されている家具に塗られているペンキなどは、汚染がひどいですが、こうした高汚染の商品生産工場はほとんどが中国にあります。中国は世界の工場と呼ばれているではありませんか、だから環境汚染の問題が中国で深刻なのです。」

 

張俊峰さんは、消費エネルギーの大きな工場の建設は他の国では許されていないが、中国ではこうした工場があると指摘しています。

 

北京の環境保護活動家・張俊峰さん:「現在中国は世界経済になくてはならない一員です。グローバル化の波に乗るために、中国は代償を支払わなければなりませんでした。自国の環境を犠牲にして経済連鎖の仲間入りを果たしたのです。これが現在中国が直面している厳しい現実です。私達は今、自国の環境にもたらした問題に、真剣に向き合うことを迫られているのです。」

 

張俊峰さんは、汚染対策のプロセスを大気汚染処理、水汚染処理、土壌汚染処理に分けました。しかし中国では現在、これら3つの汚染を根本的に処理する技術はないと言われています。

 

新唐人テレビがお伝えしました。                           

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/12/07/a1300625.html (中国語)

(翻訳/赤平 ナレーター/根本 映像編集/李)

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