【新唐人2017年4月16日】
金融危機の発生を防ごうと、中国銀行業監督管理委員会(銀監会)が現在すでに表れている問題の解決を急いでいます。銀監会の最新の発表によれば、3月末のある一日の間に17行の銀行を処罰しました。専門家は罰金による処罰ではその場しのぎにしかならず、中国の監督管理制度の構造そのものに問題があると指摘しています。
銀監会は4月7日の午後、記者会見を行い、金融危機の発生を最低限に抑えるために、銀監会が各監督機構との間で橋渡しを行うと述べました。
銀監会の役人は昨年銀監会が処罰した銀行など金融機構は631行に上り、罰金総額は2億7000万元、処罰された責任者は442人、そのうち88人の幹部の役職を剥奪したと発表しました。
今年の3月29日、銀監会は手形の違法操作、不良債権の隠匿など金融市場で横行している不正をめぐり、25件の行政処罰を行うことを決定し、罰金総額は4290万元、処罰対象は恒豊、華夏、平安各行や投資信託会社の中国信達、また中国信達の取引先である招商、民生、交通各行など17行の銀行に及びました。
4月9日、中国保険監督管理委員会トップ(主席)の項俊波(こう しゅんは)氏も捜査を受けていると報道されました。
金融アナリスト 任中道氏:「中国はほかの国とは異なり、金融業を監督する部署が証券、銀行、保険と分かれており、互いに連絡も取らないため、統括ができません。責任の所在も曖昧で、何か問題があれば互いに責任のなすりつけ合いです。2015年に起こった株価大暴落がまさにその最大の例で、ただ罰金を科すだけという古臭いやり方では、問題の根本を正すことはできません。」
中国では百億元の資産をもつ企業が融資により不動産に投資した結果、経営破綻の危機に瀕するケースが続出しています。3億元の融資を受けて不動産投資を行った輝山乳業や、アルミ製造大手の山東省の斉星集団は100億元に上る債務を抱え生産停止に追い込まれました。⑦こうした企業の投資の失敗は中国銀行、農業銀行、建設銀行、工商銀行など多くの国有銀行や金融機関に影響を及ぼしており、各地で金融危機が勃発する危険があります。
『財新網』の報道によると、今回の銀監会の措置は、各金融業者が無駄な機関を設置したり、業務を怠ったりしているために、重大な危機を招いていることを重く見ての措置だと言います。⑨違法な融資が株式市場に流れている可能性や、地方政府への違法な債務融資、融資資金が不動産投資に流れていることなどが重大な問題として注目されています。
銀督会は不良債権の隠匿など調査を行うよう求めています。
中国金融シンクタンク研究員 鞏勝利氏:「どれもその場しのぎの措置であり、長期的に見て問題の解決にはなりません。銀督会には根本的に問題を解決する能力がありません。もし本当に問題を解決しようと思うなら、証券監督法や銀行法を2~3年に1度改正するなどということはしないはずです。法律をしょっちゅう変えるなど短期的な思考しかないからです。」
金融アナリストの任中道(にん ちゅうどう)氏は、たとえ当局が国内の金融業界が抱える重大な問題に気づいていたとしても、役人がやりたい放題の現体制では、金融危機の蔓延を防ぐことはできないと指摘しています。
金融アナリスト 任中道氏:「中国には各管理部門が互いに監視し協力し合える構成がありません。不動産バブルや不良債権など現在起こっているさまざまな金融リスクを根本的に解決することは現体制では不可能です。ただ隠蔽や解決を先延ばしにするだけです。」
任氏は、現在中国では東北、華北、山東、江蘇で金融危機が始まっており、今後さらに多くの地域でも起こるとして、連鎖的にリスクが蔓延する可能性があると指摘しています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/04/10/a1319646.html(中国語)
(翻訳/白白 ナレーター/淳萌 映像編集/李)