【新唐人2017年4月16日】
中国当局に拘束されている台湾のNGOメンバー、李明哲（り めいてつ）さんの妻は、夫の消息を得るため北京訪問を予定していましたが、「台胞証（台湾居民来往大陸通行証）」を無効化したためで、事実上入国を拒否されました。李さんの妻は、夫の救出を決してあきらめないと表明した手紙を公開しました。中国大陸でも夫を拘束された多くの女性が勇敢に声を上げています。
夫を救出するため北京訪問を計画していた台湾のNGOスタッフ李明哲さんの妻、李浄瑜（り じょうゆ）さんは中国への「旅券」を突然取消された１０日、「台湾人への手紙」と題する手紙を公開しました。
手紙の中で李さんは「呆然としています。どうか体力を回復するまで１～２日休ませてください。私は必ず立ち上がります。そして絶対に強権 の哀れみを請うことはしない。中国政府がいかに強大であろうとも、私たちの命と自由を奪うことしかできず、尊厳を打ち砕くことはできない」と綴っています。
台湾人権促進会 邱伊翎事務局長：「家族さえも入国させない。向こうで騒ぎを起こすつもりではないと本人も説明しているのにも拘らず、中国当局は違法に彼女の『旅券』を取消した。」
李明哲さんは今年３月１９日にマカオから中国へ入った後、消息不明となりました。それから１０日後、中国の国務院台湾事務弁公室が李さんが「国家の安全に危害を与えた」として拘束されたと発表したものの、具体的な検挙の理由や収監先を明らかにしていません。
夫が拘束されたとの知らせを受けた妻は、強大な権力に立ち向かい夫を助けるため、立ち上がりました。
そして海を挟んだ向こう側の中国にも、李さんと同じような境遇の女性たちがいます。
２０１５年７月の人権派大弾圧、今もなお拘束されている弁護士や人権活動家は、家族や弁護士との面会も許されていません。王全璋（おう ぜんしょう）弁護士の妻の李文足（り ぶんそく）さんも後に残された妻たちの一人です。
拘束されている王全璋弁護士の妻 李文足さん：「あの大弾圧で平和で幸せな暮らしが壊されました。最初の６カ月は毎日泣いていました。泣きすぎて一時期視界がぼやけたこともありました。国家が突然一人の人間を拘束し、消息不明にしてしまうなど、あってはならないことです。後に残された妻や子供、親や親戚や友人たちにどれほどの傷を負わせるのかを知らないのでしょうか？」
李浄瑜さんと同じく、李文足さんやほかの逮捕された弁護士の妻たちも、立ち上がって強大な権力に立ち向かうことにしました。このような勇気はどこから来るのでしょうか。
人権派弁護士、江天勇さんの妻 金変玲さん：「あの大弾圧が起るまでは、私たちは平凡な主婦で、夫が携わっている仕事や活動について夫に聞いたこともありませんでした。ですが夫が捕まった後、夫たちが何をしていたのかを徐々に理解するようになりました。夫たちは社会のために頑張っていたのであり、政府が言っていることは正しくありません。私たちは夫たちの行動を誇りに思っています。」
ですが、中国、台湾を問わず拘束された夫を救出しようとする妻たちの行動は中国当局によって阻止されています。
人権派弁護士、江天勇さんの妻 金変玲さん：「夫が消息不明になってから５カ月が経ちました。どこで拘束されているのかもわかりません。法的な手続きにより訴訟を起こそうとしても、当局は訴訟をさせないの一点張りです。正規の法律手段によって夫を弁護する権利さえも許されない。方法も、助けてくれる人もなく、途方に暮れています。」
中国の妻たちの戦いは１年以上が経ちましたが、台湾の李さんの道のりはまだ始まったばかりです。カナダ在住の作家、盛雪（せいせつ）さんは、両者の置かれた境遇には大きな違いがあると指摘します。
カナダ在住作家 盛雪さん：「李明哲さんの妻には台湾政府という後ろ盾があります。中華民国という民主制度と民主的な社会があります。一方、中国国民として中国に暮らす中国の妻たちは、いつ何時自分たちも夫のように拘束されるか分からない危険に晒されています。この点は全く異なっています。」
最近、中国の妻たちへの迫害が強まっています。李文足さんは３月に生命を脅かされる危険に遭い、同じく拘束されている李和平（り わへい）弁護士の妻、王峭岭（おう しょうれい）さんも数日前、自身も拘束される危険を感じており、万一拘束されたら２人の子供の面倒を見てくれるよう友人に託したと公表しました。
こうした辛い状況の中でも彼女たちは希望を捨てていません。李文足さんは４月１１日、当局の監視を受ける中、王峭岭さんと一緒に花びらを拾って「７０９」という文字を描き、「春光も君も裏切らない」というメッセージと共にネットに写真を投稿しました。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/04/12/a1319923.html（中国語）
（翻訳/白白 ナレーター/淳萌 映像編集/李）
