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PPP事業は新たな影の銀行なのか

2017年04月25日

【新唐人2017年4月26日】

1月~3月期の中国の国内総生産(GDP)が前年同期比6・9%増となったと発表されました。中国国家統計局は4月17日、インフラと不動産の建設事業が経済成長増加の主因であると述べました。昨年は経済成長が著しく低迷したため、国内外から不安視する声が高く、李克強首相は3月に発表した政府の報告書で、2017年の経済成長の予測を6.7%から6.5%に引き下げていました。それが今回6.9%の増加となったのは予想外で、専門家はこの数字については見守る姿勢です。増加の理由は、秋に「第19回党大会」が開かれるため、経済の安定が不可欠だからですが、これについては誰もが沈黙しています。

 

政治的な理由のほかに、多くの経済アナリストが中国経済について見守る姿勢であるのは、中国の経済発展が未だに古い経済、すなわち政府のインフラ建設や不動産などにおいてであり、さらに大量の債務によって経済発展を推進しているからです。こうした経済発展は長く続くものではなく、社会に大きな問題を引き起こします。この3通りの方法は基本的に紙幣を刷って行うものです。金が市場に溢れれば、必然的に住宅の価格も高騰します。通貨切下げにもつながるので、政府は厳しく貨幣の流出を取り締まっています。7月にはさらに厳しく外貨の持ち出しを取り締まります。

 

政府が今回印刷した金はどこからきたものでしょうか。まず一つ目は政府の投資で、これまでにも何度も指摘してきました。地方政府の債務を置き換えた後、地方政府はまた借金を繰り返しています。昨年地方政府の債務はさらに1兆元(約15兆7200億円)増加していました。ここで注意すべきなのは、一般民衆や民間企業に対する債務の利率は高いけれども、内輪の共産党に対しては利率が低いという不公平な状況です。

 

二つ目は官民パートナーシップ(public–private partnership)PPPの事業です。多くの人々にとっては聞きなれないものだと思いますが、要するに政府と民間が共同で行う事業のことです。公共事業を民間企業が融資・建設した後、政府が買い取るなどして運営するわけです。しかしPPP事業はさまざまな場面で融資プラットフォームと化し、いわゆる「影の銀行」となっているのです。

 

これまで地方政府は自分たちの融資プラットフォームから金を借りてきました。たとえば何々都市開発会社などで、要するに影の銀行です。こうして収拾がつかないほど借金を重ね、地方政府が債務危機に陥ったため、国務院は43号文書を出し、地方政府が融資プラットフォームから遠ざかるように求めました。これにより地方政府は金を借りる先がなくなり、今度はPPP事業が新しい融資プラットフォームとなったのです。影の銀行がどんな仕組みなのか、例を挙げて説明しましょう。地方政府が不動産開発を計画したとします。でも資金がないので、中央や国有の企業と共同で行うことにします。するとこれらの企業はPPP事業の名義を使って、借金や債券発行、合資などを理由に資金を調達するのです。

 

ここまで説明したので皆さんお分かりになったことでしょう。なぜ海外のアナリストは中国がいまだに「旧式経済」に頼ってGDP成長を遂げていると指摘しているのかと、ですから中国政府の発表した数字について彼らは傍観する姿勢を取るのです。聡明な視聴者の皆さんは、「政府と企業の関係は役人と商売人の結託ではないのか?」と疑問を持つことでしょう。その通りです。昨年、地方政府と不動産会社が力を合わせて住宅価格を引き上げたことを思い出してください。PPP事業とは地方政府の資金繰りの道具であり、国民を騙す新しい仕組みなのです。

 

新唐人テレビがお伝えしました。                

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/04/24/a1321692.html(中国語)

(翻訳/白白 映像編集/李)

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