【新唐人2017年5月5日】
米国際宗教自由委員会(USCIRF)が4月26日、2017年国際宗教自由報告書を発表しました。報告書は中国における宗教と信仰の自由をめぐる状況は昨年も悪化し続けたとして、米国務省に対し今年も引き続き中国を「特に懸念される国(Country of Particular Concern)」に指定するよう提言しました。
今回発表された最新の報告書では、中国を引き続き世界で最も信仰と宗教の自由を侵害しているとして、「特に懸念される国」16カ国のうちの一つに指定しました。1999年以来17年連続となりました。
報告書は、中国当局が未だに無数の宗教の自由を訴える人や人権活動家、法輪功学習者など宗教信仰者の監禁、虐待を続けていると告発しています。
報告書は、イスラム教徒であるウイグル族や仏教徒であるチベット族に対する弾圧の状況も楽観視できないと指摘しています。また、昨年弾圧を受けた政府の公認ではない地下キリスト教会が、十字架を強制排除させられたことなどにも触れています。
ダライラマ法王チベット宗教基金会の台湾駐在代表 ダワ・ツェリン氏:「多くの宗教信仰者は中国政府と対立するつもりはなく、ただ自分の信仰を持っているだけです。それなのに中国政府は、信仰があり無神論者の言いなりにならない人々を邪教の信者だ、分裂主義者だ、と言って弾圧しています。かつて中国の経済力の乏しかった時代、中国は国際社会に対して、宗教弾圧についていくらかの引け目を感じていました。しかし西洋諸国の経済が悪くなり、中国が金持ちになると、信仰者や信仰団体に対する迫害はさらに厳しくなりました。」
報告書の法輪功に関する報告では、1999年から中国政府の法輪功に対する弾圧が始まり、法輪功学習者が日常的に労教所や刑務所に収容されたり、集団で行方不明になったりしていると指摘しています。
拘留期間中、精神病やそのほかの医学実験に使われたり、性的暴行や拷問をされたり、強制的に臓器を摘出されたりといった被害を受けていると告発しています。
報告書はまた、「中国の臓器略奪をやめさせる国際連盟」が昨年6月に公表したデータを引用し、中国では毎年6万~10万件の臓器移植手術が行われており、中国政府が発表している1万件と大きな差があると指摘しています。
米国際宗教自由委員会代表 トーマス・J・リース氏:「法輪功学習者の臓器を強制摘出する行為は中国政府が行ったことの中で最も人間性を踏みにじる行為である。」
法輪功スポークスマン 張而平氏:「法輪功が中国で18年もの間迫害を受けてきたことをみんなが知っている。しかも臓器を強制摘出するなどという人類全体に対する恐るべき罪は今もなお行われている。国際社会はこれについて非常に懸念している。」
法輪功スポークスマンの張而平(ちょうじへい)氏は、こうした情報が中国へと伝わってほしいと述べました。張氏は、中国の多くの民衆はこの恐るべき真実を知らないが、もし知ったら、良識ある民衆が抗議に立ち上がるだろうと話しています。
法輪功スポークスマン 張而平氏:「これは単に法輪功だけではなく、中国の全国民が直面している問題なのです。信仰の自由、表現の自由、言論の自由はすべての国民が有するべき基本的人権であり、政府に蹂躙されることを望む人はいないはずです。」
元北京法輪大法研究会メンバーの王治文(おう ちぶん)氏とミスカナダのアナスタシア・リンさんが中国から弾圧を受けたことにも報告書は言及しています。
また同じく関心を集めたのは、中国の人権派弁護士や人権活動家の状況についての報告です。報告書は、昨年中国政府による弾圧が激しさを増したと指摘しています。弁護士の江天勇(こう てんゆう)氏は昨年11月に拘束されて以来、消息不明です。
昨年12月に国連の専門家チームが中国政府に対し江氏の消息を調査するよう求めました。また、江氏がチベット族や法輪功学習者の人権侵害事件の弁護を務めたために、警察から殴られたり虐待されていることにも懸念を示しました。
人権活動家の彭明(ほう めい)氏が昨年末、獄中で死亡しました。遺族は検死を求めていますが、当局が彭氏の臓器を摘出し遺体を焼却したと報道されています。
米国際宗教自由委員会代表 トーマス・J・リース氏:「アメリカの新しい政権は中国政府に対し、首脳レベルで宗教と信仰の自由の問題について取り上げるべきである。我々が特に懸念しているのは良心の囚人についてであり、米政府は中国政府に対して、彼らを釈放あるいは少なくとも人道的に扱うよう求めるべきである。」
昨年に続き、今年発表された報告書も、中国における宗教の自由の状況は悪化し続けていると指摘されました。専門家は、国際社会がこの事実に関心を持つことが非常に重要だと述べています。
ダライラマ法王チベット宗教基金会の台湾駐在代表 ダワ・ツェリン氏:「国際社会がこの問題に関心を示すことで、中国政府に一定の圧力を与えることができます。だから国際社会が関心を持つことが非常に重要です。」
超党派から成る独立組織の米国際宗教自由委員会はアメリカ合衆国連邦政府に属し、1998年、「国際宗教自由法」に基づいて設立されました。同委員会は米大統領が任命した無任所大使が指導し、年に一度国際宗教自由報告書をまとめる義務があります。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/04/28/a1322334.html(中国語)
(翻訳/白白 ナレーター/淳萌 映像編集/李)