【新唐人2017年5月18日】
中国共産党中央から派遣された15組の巡視組が北京、清華、南開、山東各大学など29校の有名大学で最大規模の巡視を行っています。象牙の塔と呼ばれた最高学府で腐敗が横行しています。
2005年から2013年にかけて中国人民大学で生徒募集の担当部署の署長だった蔡栄生は、44人の学生から総額2330万元以上に上る賄賂を受け取っていました。中には11歳の子供を学部入学させたケースもありました。
中南大学元副校長で同大党委員会常務委員だった胡鉄輝は1998年から2014年までに、建設計画や食堂経営、薬品購入などの契約の便宜をはかる見返りとして、総額約180万元の賄賂を受け取っていました。
浙江大学元副校長の褚健は2013年に科学研究費を着服した疑いで逮捕されました。汚職総額は数億元に上るとも伝えられ、「大学における最大の汚職事件」といわれています。
この三人の事件は近年発覚している大学を舞台とした汚職事件の氷山の一角です。2016年に中央規律委員会はサイトで、大学の指導者27人を処罰したこと、そのうち3分の1以上が所属大学の党委員会書記を務めていたことを公表しました。2013年3月から2015年12月までに、中央規律委員会が通報した大学指導部幹部は101人に上っています。
今年1月、中国共産党社会科学院は報告書を発表し、大学では集団的な腐敗が横行しており、権力を濫用した違反事例が氾濫していると指摘しています。
最近逮捕された三人のように、裏口入学、談合、経費着服が大学で横行する汚職の代表的なものです。
米国在住の著名な学者、呉祚来(ご そらい)氏は、裏口入学による汚職は非常に普遍的で、あらゆる教育機関で横行していると指摘しています。呉氏の息子が10年前に北京市内の小学校に入学しようとした際、学校側は保護者の自発的な寄付として三万元の「賛助費」を納めるよう求めたと証言しています。
元山東大学教授の孫文広(そんぶんこう)氏は談合もよく見られる行為だと指摘します。
元山東大学教授 孫文広氏:「多くの大学が立地のよいキャンパスを取り壊して、高層マンションを建てて商売をしています。土地を売って得た金は政府に戻る仕組みです。そして新しいキャンパスの建設計画は莫大なもので、工事過程全般で賄賂を受け取ります。すべてが腐敗しています。」
科学研究費をめぐる汚職はさらに注目を集めています。『北京青年報』が引用した中国科学協会の調査結果によると、一部の大学や研究機関に与えられた科学研究資金のうち、実際に研究計画に使用されたのは40%ほどしかないといいます。
元山東大学教授 孫文広氏:「昔のようにただ純粋に学問をすればいいというわけにはいきません。上司と良好な関係を築くため賄賂が必要なのです。助教授は教授に、教授は博士課程指導教授に賄賂を渡すのです。」
そのほか論文の盗用や学歴詐称、データの捏造、性賄賂といった問題が近年非常に増えています。「象牙の塔」と呼ばれた最高学府は腐敗が横行する「うじ虫の塔」へと変わり果ててしまいました。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/05/12/a1324374.html(中国語)
(翻訳/白白 映像編集/李)