【新唐人2017年5月31日】
北京市の多くの行政区で、公務員に対し婚外子や養子の届け出が義務づけられました。この新たな反腐敗対策は、中国の役人の間で蔓延する倫理観の乱れを物語るものだと専門家は分析しています。
『新京報』5月17日付によると、共産党中央委員会弁公庁と国務院弁公庁は今年2月、「指導者幹部が報告するべき個人情報に関する規定」と「指導者幹部の個人に関する項目の報告調査結果に対する処理のしかた」という2つの重要法規を発行しました。それらを通して「指導者幹部の権力濫用によって生じた家庭状況や財産の有無」を調査するということです。
そしてこのほど両法規が定められた後初となる報告提出の時期を迎えました。報道によると、昨年15ページだった報告書は今年20ページに増え、細かい部分の報告を求められる項目もあり、そのうち「子女」の欄には「婚外子」の報告項目も含まれています。
中国在住ジャーナリスト 黄金秋氏:「多くの役人が愛人を囲っているため、婚外子が非常に多いことを示しています。」
アメリカ在住の評論家、鄭浩昌(ていこうしょう)氏は今回の措置はパフォーマンスだと指摘します。
アメリカ在住評論家 鄭浩昌氏:「役人の間に蔓延する性の乱れをすべて調査し、罰すると、政府の面子は丸潰れとなり、政府が崩壊する危険まであることには気づいています。ですから、報告があっても容認するしかなく、お咎めはないのです。」
報道によると、現在北京市の順義(じゅんぎ)区、密雲(みつうん)区、石景山(せきけいざん)区など多くの行政区の党委員会は、処級以上の幹部に報告書の提出を義務付けています。
抜き取り検査も昨年の5%から今年は10%に増え、もし期限までに報告をしなかったり、報告漏れや事実の隠蔽などがあった場合には中央規律委員会が処理に当たるとしています。
アメリカ在住評論家 鄭浩昌氏:「婚外子の氾濫は、現在中国社会全体に蔓延する欲望のままに行動する風潮の悪しき結果です。共産党の思想イデオロギーが破綻した後、政府は国の真実から国民の目をそらし、共産党に反対しないよう真実を隠蔽しています。権力を握り、国民の監督も受けない中国政府の役人たちは、国民よりもはるか何倍も好き勝手にやってきた挙句、少々自制しなければならない状況に陥ったのです。」
『ラジオ・フリー・アジア』が伝えた専門家の話では、役人の個人情報報告制度はもう7年間続いているものの、一度も国民に公開されたことはないといいます。
それどころか、役人の財産を公開するよう求めた国民は逮捕され、その多くが実刑判決を受けています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com.tw/b5/20170522/video/197163.html(中国語)
(翻訳/白白 映像編集/李)