【新唐人2017年8月8日】
中国の習近平国家主席が8月1日以降公の場に姿を見せていないほか、河北省秦皇島と北戴河地区で武装警察や公安警察などによる厳戒警備が始まったことから、年に一度、中国共産党のトップが集い重要事項を話し合う北戴河会議が開催されると見られます。一方、昨今の政治情勢の変化により、今年の北戴河会議の重要性は例年ほどではないという声もあります。
習近平は8月1日に中国軍創設記念大会に出席した後、また李克強首相は北京でスナイダー・ミシガン州知事と会見した後、公の場に姿を現していません。
一方、河北省の秦皇島市では厳戒警備体制が敷かれています。車両の検問が行われ、北戴河の街中には武装警察、特別警察、公安の姿が見受けられ、ある陳情者は警察に取り囲まれて聴取された後、戸籍地へと送り返されました。
このため、中国共産党の現役・引退幹部が避暑名目で集まって行う北戴河会議が始まったと報じられています。
北戴河会議は中国共産党のトップが毎年夏に河北省秦皇島市北戴河に集まり、避暑を兼ねて党内の重大な議題について話し合うものです。
中国評論家の李善鑒氏は、北戴河会議は引退後も党内に勢力を持つ元幹部が現政権に対して干渉するためのもので、主に江沢民主導で行われてきましたが、習近平政権下では江沢民派勢力への粛正が相次ぎ、江派の勢力は弱まっていると指摘します。
中国評論家 李善鑒氏:「現在の政治状況は様変わりしました。北戴河会議の意味も薄れています。」
党のメディアは近年、北戴河は名実共に避暑の意味しかなく、政治的機能は失われたとしきりに報じてきました。
2015年8月5日に新華社系メディア「財経国家週刊」が、「待つ必要はない。北戴河会議は行われない」と報じたのを受け、「ニューヨーク・タイムズ」は、習近平は元幹部らによる政治干渉を避けるため、北戴河会議を開催したくないと報じました。
米国在住時事評論家、鄭浩昌氏は、習近平はこの数年の間に北戴河会議を軽視し、開催したりしなかったりだったものの、今年は党全国代表大会が行われるため、開催せざるを得なかったと指摘します。
米国在住時事評論家 底博正氏:「トップが民主的に入れ替わる制度がない中国で、上層部の人事を決定するには密室の会議を開催する必要があります。北戴河会議がなくなっても、これに替わる会議の場が必要です。」
北戴河会議は中国共産党内部の権力闘争の場だと考えられています。現役を引退後も権力闘争の黒幕であり続ける多くの元幹部が、避暑と称してこの北戴河に集い、食事をしながらどうやって政敵を追い落とすか策略を巡らせる場でもあるのです。
今秋開催される第19回中国共産党全国代表大会で、68歳以上の政治局常務委員は引退するとの内規に従えば、常務委員を続投するのは習近平と李克強のみとなります。ほかのメンバーは皆引退の年齢に達するため、誰がメンバー入りするかが今回の北戴河会議で決定されると見られています。
台湾の中央社は、江沢民が後継者と見なしていた元重慶市党委員会書記の孫政才が辞職に追い込まれる騒動は、元幹部の人選を拒絶する習近平の意思の表れと報じています。
鄭浩昌氏は、習近平が今回の北戴河会議で主導権を握り、「最高統帥」の地位を確立するために、地ならしをしてきたとし、中央テレビは盛んに習近平の行動を報じてきたし、軍創設記念大閲兵や孫政才卸し、メモ取り禁止の会議を行うなどを指摘しています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/08/07/a1336831.html(中国語)
(翻訳/白白 映像編集/李)