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感動を呼んだ「鋼のピアノ」中国で不人気

2011年09月06日
【新唐人2011年9月7日付ニュース】東京国際映画祭で賞を獲得するなど、良質な作品として高い評価を受けた中国映画「鋼のピアノ」。しかし、中国ではまったく人気がないそうです。一体なぜなのでしょうか。ここから、中国の庶民の苦しい現状が透けて見えます。
 
「鋼のピアノ」の主人公は、工場からリストラされた夫を捨てて、偽薬を売る男の元に走った女性。一緒に連れて行こうとした娘は、ピアノを買ってくれる人に付いて行くと宣言します。
 
しかし女性にはピアノを買うだけのお金がありません。そこで娘を引き留めるため、盗みを含めて、四方八方手を尽くします。最後、万策尽きると、鋼材と画用紙を使って、「鋼のピアノ」を制作。すると、なんと娘はこのピアノで美しいメロディーをつむぎだしました。
 
この作品は今年、上海の映画祭で大賞を獲得しただけではなく、東京国際映画祭でもコンペティション部門に出品され、主演俳優が最優秀男優賞に輝きました。しかし地元の中国ではまったくの不人気です。
 
作品について、雑誌「北京の春」の編集長、胡平氏は、ユーモアが全体にちりばめられているものの、中国人の悲哀が凝縮していると指摘。現実で十分苦しみを味わっている庶民は、誰もお金を出して見はしないと分析しました。
 
1990年代、中国政府は国有企業改革を強力に推進。結果、莫大な国有企業の資産が共産党高官らのものとなった一方、大量の労働者がリストラの憂き目に遭いました。
 
「北京の春」編集長 胡平氏:「いわゆる国有企業改革で中国共産党は資本家に変身しました。工場も共産党に奪われました。一種の強奪です。これは2度目と言えましょう。共産革命の際、地主や資産家の財産を奪いました。これも強奪です。現在の改革も国民の財産を違法に奪っています。だから合わせて2度の強奪です。これは罰当たりなことで歴史上 類がありません」
 
国有企業改革が本格的に始まってから10数年。この社会問題はいまだに尾を引いています。リストラや制度改革で生まれた腐敗問題は、中国各地で絶えることはありません。
 
最近、タバコ会社から強制的にリストラされた50人あまりの元従業員が、湖南省当局に赴き、横断幕を掲げて抗議。復職を求めました。
 
湖北省黄岡市煙草公司・元従業員 陳偉さん:「強制的なリストラでした」
 
湖北省黄岡市煙草公司・元従業員 謝紅英さん:「1年で6000元では暮らせません」
 
何よりも困っているのが生活だといいます。
 
湖北省黄岡市煙草公司・元従業員 匡金蓮さん:「今は年金すら、支払えません。お金がなく、苦しいです」
 
しかし、中国経済の表面的な繁栄だけに目を奪われがちです。
 
「北京の春」編集長 胡平氏:「中国の問題と欧米の民間企業・国有企業とはまったく違います。根本的な性質が違います。この点、世界は分かっていません。中国で露骨な強奪が起きても、世界はこれが見えません。経済改革の成果とすら見ます」
 
一度に数千万人がリストラされて職を失えば、ほかの国では、国をひっくり返すほどの騒ぎになるはずだとも指摘。中国の民主化の波はまだ起きていなくとも、これら数千万のリストラ従業員は、これから起こる民主化運動の鍵になるだろうとも分析しました。
 
新唐人テレビがお伝えしました。
 
-【禁闻】《钢的琴》获大奖--叫好却不叫座.html
 

 

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