【新唐人2017年10月20日】
中国共産党大会が10月18日に開幕しました。習近平は開幕式典で3時間半の政治報告を行い、新しい目標を打ち出しました。専門家は新しい目標には多くの問題が含まれていると分析しています。
5年に1度行われる中国共産党大会期間中、政府機関を始め幼稚園や刑務所に至るまで、大会を生放送で観るよう義務付けられています。
会場には現職及びリタイヤ後の常務委員が勢揃いしています。反腐敗運動で党内の派閥は熾烈な闘いを見せているものの、外に向けては「団結」したイメージを見せようとの意図が見られます。
「北京の春」名誉編集長 胡平氏:「多くの元幹部、とくに江沢民らは気まずいでしょう。反腐敗運動でやり玉に挙げられているのは、江沢民派の役人ばかりですから。気まずい雰囲気の中、習近平に忠誠を誓わなければならず、会議で異議を唱える者は一人もいません。」
習近平の3万字に及ぶ政治報告では、党、政府、軍部、民間、学問などあらゆる方面について触れています。その中で、2035年に富国強兵を実現する「新時代新思想」の構想を発表しました。また、中国社会の新しい主な問題として、「生活の不均衡」を挙げました。
時事評論家 文昭氏:「国民の経済格差と、特権濫用の現象を認めたことに等しく、不均衡な発展を作り出した元凶が既得権益集団とその他の派閥勢力であると暗示しているのです。今後、反腐敗のほか、『社会的矛盾を解決するため』という名目で、政治闘争を継続することを暗示しています。」
強国強兵構想の実現には経済的な支えが必要で、習近平は、新型国家の早期建設など6つの経済建設目標を提起しました。
また、「党、政府、軍、民間、教育は党が一切を指導する」とも述べています。
米サウスカロライナ大学教授 謝田氏:「彼が言う経済目標は耳障りはいいですが、現在の政治体制では難しい。新型国家の早期建設と言っても、今の中国はその条件を備えていません。インターネットを規制し、知的財産権の保護を軽視し、社会と思想を規制する。何かを創造するには規制が多すぎます。中国の政治と経済の間にある最大の矛盾が曝け出されるだけです。」
「北京の春」名誉編集長 胡平氏:「一党専制の問題は、一見良さそうな目標を達成することができないということです。それよりももっと大事な価値を犠牲にする代償を伴うのです。」
今回の政治報告では14個の「自信」も飛び出ましたが、会場となった北京市は厳戒態勢に包まれています。
包丁の販売や宅急便配達、レストランでの調理を禁じ、会場付近の車両や住居は窓を開けてはならず、地下鉄では厳戒な検閲が行われ、反政府的な言動を行った人や宗教団体のメンバーは当局に取調べを受けています。
中国問題研究家 横河氏:「中国共産党政権下の68年間に、さまざまな問題が積み重なり、すでに極限状態にまでなっています。指導者はこの状況を知っているので、規制強化に出たのです。」
注目される常務委員会の新メンバーは党大会が閉幕した翌日の10月25日に発表されます。もしも中国の政治体制が変わらなければ、誰が舵取りをしようとも、新しい目標を実現することはできないと、専門家は分析しています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/10/19/a1347310.html(中国語)
(翻訳/白白 映像編集/李)