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趙紫陽元秘書が共産党大会を分析

2017年10月30日

【新唐人2017年10月30日】

中国共産党大会が閉幕し、新たな最高権力指導者層が決定しました。中国権力闘争の行方は各界の注目を集めましたが、今回新唐人テレビは、かつて趙紫陽元総書記の政治秘書を務めた鮑彤(ほうとう)氏に話を聞きました。

 

中国共産党はこれまでずっと党が全てを指導するという姿勢を強調してきました。鮑氏は、この考え方は今も変わらないと指摘しています。

 

趙紫陽元総書記の秘書 鮑彤氏:「今回もやはり『党政軍民学、東西南北中』と言っています。党が全てを指導し、何人(なんびと)も党の指導に従わなければならないという意味で、この点については前回の党大会、さらには1956年の党大会とも変わりません。60年過ぎても全く同じなのです。」

 

「虎狩りの急先鋒」と呼ばれた王岐山が政治局常務委員から外れたのも注目を集めました。趙楽際(ちょう らくさい)が中央規律検査委員会書記を引き継ぎます。鮑氏は、王岐山は任期中、多くの「虎」を退治したものの、腐敗という問題を解決したわけではないと言います。

 

趙紫陽元総書記の秘書 鮑彤氏:「虎や蠅を退治するということと、腐敗に反対するということは別のことだと私は思います。100頭の虎を退治してもまだ200頭の虎は野放しです。これでは腐敗に反対するということはできません。残りの虎がどれだけいるか、さらにどれだけの子供の虎が生まれているか。王岐山は腐敗問題を解決していません。腐敗を生み、保護する制度を改革していないのです。この問題を解決すれば、腐敗に反対していると言えるでしょう。」

 

25日に新しい政治局委員のリストが公表されました。公安部長の郭声琨(かくせいこん)もリスト入りしました。報道によると、郭声琨は引退する孟建柱(もうけんちゅう)共産党政法委員会書記の後任を引き継ぐとみられます。

 

鮑氏は、1949年に共産党政権が発足して以来、中国の冤罪事件は数えきれず、政法委員会は党の機関で国の機関ではなく、人権を侵害し法律に違反する冤罪事件を数多く犯してきたと指摘しています。

 

趙紫陽元総書記の秘書 鮑彤氏:「法輪功弾圧や臓器狩り、人権派弁護士一斉摘発など、国内外で多くの冤罪事件が発生しています。法律を正常に機能させ、人権を保障させるためには、新任の政法委員会書記が冤罪事件の名誉回復を行うことです。罪を捏造した者、或いはそれを法で裁いた者が誰であろうと、冤罪で裁かれた被害者の名誉回復を行い、どうやって捏造されたか、それからどんな教訓を受けたかを、世界に向けて公表しなければなりません。全ての裁判官に、戒めとするよう伝え、全ての中国の弁護士に法律の尊厳を守るよう伝え、全ての国民に憲法が保障する全ての権利を守るよう伝えなければなりません。」

 

また、25日に発表された新常務委員の顔ぶれから、習近平が後継者を指定するつもりがないと思われることについて、鮑氏は、後継者を指定してもしなくても、大きな意味はないと考えます。

 

趙紫陽元総書記の秘書 鮑彤氏:「後継者の指定問題は唯一中国だけに存在する問題です。理由は中国が未だに宮廷政治を行っているからです。国家指導者とは指導者一族の財産と同じく、指導者が次の継承順序を決めるというへんてこな仕組みで、後継者がいないことこそが正常なのです。共産国家には後継者が必須なため、権力闘争が絶えないのです。」

 

鮑氏はさらに、後継者の指名を受けた者が後継者になるとは限らないと言います。かつて毛沢東は後継者に指名した劉少奇(りゅう しょうき)や林彪(りんぴょう)を粛正しました。ですから後継者の指名問題は重要ではなく、はっきりしていることは、この政権が宮廷政治なのか民主政治なのかという点です。もし後継者の指名という慣習がなくなり、国民選挙が実現すれば、中国の問題は解決すると、鮑氏は見ています。

 

鮑氏は、香港の問題に関しては、「中英共同声明」により治めるよう期待しています。

 

趙紫陽元総書記の秘書 鮑彤氏:「国防、外交以外は香港人民による自治を行うべきであり、現体制や選挙制度については、特別行政官が法律を応用すべきです。」

 

また、北朝鮮問題を巡っては、朝鮮戦争後に起きた全ての問題で最大の責任があるのは中国で、次がソ連であると述べ、中国が今も北朝鮮に対して影響力を有しているかどうかは不明だと述べています。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/10/27/a1348387.html(中国語)

(翻訳/白白 ナレーター/佐藤 映像編集/李)

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