【新唐人日本2011年9月23日付ニュース】中国には故郷を離れ、都会で出稼ぎをしている農民工が2億7千万人。二等公民とされる農民工は、都会で働いても都市住民の待遇を受けられず、子供たちもまともな教育を受けられません。最近、広東省ではポイント制の新しい戸籍制度を打ち出しましたが、農民工には依然ハードルが高いようです。
80年代半ばより、中国都市部の製造業には大量の農民工が流入。中国では都市戸籍と農村戸籍に分けられるため、農民工は都市住民の待遇を受けられません。新しい政策が打ち出されても、大都市の戸籍は開放されず、都市戸籍取得は至難の業です。
これに対し、派出所の戸籍管理担当者は、都市建設に最も貢献している農民工が戸籍を取得できないのは不公平だと述べます。
戸籍管理担当 李さん
「都市に来て、聞こえはいいです。学歴とか、何々能力とか言いますが、人間は生まれた時は平等なはずなのに、なぜこれらがないと都市には来られないのか?汽車の切符一枚で来られるはずです。ここで生活できるなら、残してあげるべきです。彼らはここで働き、都市建設に貢献している、都市の各方面の需要や、都市がなぜこんなに繁栄しているのか?これらの人たちがここで消費しているからです」
6月7日、広東省当局は新しい戸籍制度を導入。農民工でもポイントを稼げば、都市戸籍の取得が可能というものです。例えば、広東省で就労していて臨時居住証があり、社会保険に加入している人はポイント申請が可能。60ポイントで戸籍が取得できます。しかし広州市の戸籍取得には、実際は130ポイント必要だそうです。
広州では、企業投資500万元で20ポイント、不動産所有で20ポイント獲得できます。18歳から35歳の若者、大学在学生、広東省農村戸籍もポイント獲得の対象です。
しかし、農民工にとって、500万元で20ポイントはハードルが高すぎるようです。農民工の梁(りょう)さんは、これではほとんどの人は無理だといいます。
農民工 梁さん
「このハードルは高すぎる、これはパフォーマンスに過ぎません」
また、社会保険加入でもポイントが獲得できます。年金、医療保険、失業保険や労災保険などに加入しても年間1ポイント獲得できます。また、献血やボランティア活動でもポイント加算の対象になるそうです。
農民工 孫二代さん
「表面上では公平に見えます。裏には多くの闇が存在します。例えば各方面の数字
ポイント数さえ、偽造でき、手を加えられます」
ポイントが引かれる場合もあります。例えば、一人っ子政策違反の場合、5年間は戸籍申請ができないばかりでなく、子供1人につき100ポイント減点。労働教養や刑事処罰を受けた人は、それぞれ50ポイントと100ポイント、減点されます。
このような中国の人為的な身分制度の差別を受けながら、農民工は都市部の最も過酷な労働に従事し、わずかな給料で生計を立てています。
新唐人テレビがお伝えしました。