【新唐人2017年12月18日】
「強制立ち退きも半分で終了、看板撤去も半分で終了、石炭禁止も半分で終了」。昨今北京周辺で発生している出来事を風刺する言葉が、中国のネットで流行っています。
北京市大興区(だいこうく)の雑居アパート火災を機に、当局は十万人以上に上る出稼ぎ労働者を、違法建築の撤去の名目で強制的に立ち退かせました。さらに「都市景観を守る」と称し、11月末までに9000件の看板を撤去、さらに2万7千件を撤去する計画です。北京、天津両市と河北省一帯では「石炭禁止令」が下され、家庭での石炭使用を禁止し、石炭ストーブが撤去される一方、インフラ建設の遅れによる電気とガス不足で、28都市の1000万人が気温マイナス4度~5度の寒さの中で過ごしています。
こうした状況について、政策の実施が中途半端であるため、出稼ぎ労働者を不安に陥れているほか、看板や石炭ストーブを再設置させるべきかどうかも分からない、との不満の声がネットで噴出しています。
市民はこうしたいい加減な政策を「怪政」と呼び、どうしてこのような政策を考え出したのかと非難しています。
ニューヨーク大学客員研究員 滕彪氏:「中国には民主的な政策決定のメカニズムがありません。法律的には行政の聴聞、立法の聴聞などが定められていますが、実際には政策決定に国民の声が反映されることはありません。政権上層部が考え出したことです。」
ニューヨーク大学客員研究員の滕彪(とうひょう)氏は、政策決定者は出稼ぎ労働者や農民に対して、さらにいい加減な対応を行うと指摘しています。
ニューヨーク大学客員研究員 滕彪氏:「彼らには不満を訴える術がありません。人民代表も彼らの声を代弁することはありません。そのため、人権や法治を侵害する政策がまかり通るのです。」
ここで、また別の違法性の問題が出てきます。
出稼ぎ労働者の店の撤去により、賃貸料や敷金といった契約上の問題が生じます。また、撤去された看板には政府の許可を受けて設置されたものもあり、石炭ストーブは個人の財産です。暴力的に撤去し、水道、電気を停止させるというやり方は違法ではないのでしょうか。
イェシーバー大学客員研究員 張杰氏:「こうした手法に法的根拠はありません。撤去するには行政強制法を適用するための許可が必要で、それには行政調査を経て、違法行為があればまず通知をします。しかも、行政強制法は、生活に直結する水道や電気の強制停止という手段を取ってはならないと明確に規定しています。」
市民は、こうした不可思議な政策が突然実施され、突然中止されたことに対して、暮らしや社会秩序を守るメカニズムが機能していないと不満の声を上げています。
ニューヨーク大学客員研究員 滕彪氏:「中国政府のこうした政治体制や法律制度は、公民の権利と健全な社会を守ることはできません。」
現在、中国のネットではこの「怪政」に関するコメントが軒並み削除されています。違法行為の責任を問う先もなく、建築の強制撤去に生じた大量のゴミ、看板の再設置費用、寒さに凍える国民の問題をも解決していかなくてはなりません。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/12/14/a1354901.html(中国語)
(翻訳/白白 ナレーター/佐藤 映像編集/李)