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新疆ウイグル自治区 検診でDNAデータ採取

2017年12月21日

【新唐人2017年12月21日】

国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は12月13日、ニュースリリースを発表し、新疆ウイグル自治区で当局がさまざまな手法で住民の生物データを採取していると告発しました。

 

HRWは、中国当局は同自治区で12歳から65歳までの住民全員のDNAサンプル、指紋、虹彩、血液型を採取していると告発しました。「重要人物」とその親族については、年齢に拘らず全員採取されているとのことです。無料で実施する国民検診でDNAや血液型が採取されていますが、検診についての報道や政府の関連文書では、検診項目にDNAは含まれていません。当局は採取した医学情報がどの部署に送られ、何に使われるのか、また保存期間についても、受診者に何の説明もしていません。

 

プレスリリースは、これまで同自治区ではパスポート申請時のみ生物データを提出するだけだったのが、全面的な収集を実施するようになったと告発しています。

 

HRW中国部長のソフィー・リチャードソン氏は、「説明と同意」や「最適な選択」といった問題が考慮されておらず、国際的な人権規範に反し、人々を不安に陥れるものだと批判しています。

 

同自治区アクス市のサイトでは今年7月の「アクス地区人口服務管理・実名制工作領導小組(りょうどうしょうそ)弁公室」の発行印が記された「全区人口登録調査確認工作の指南」と題する通知が掲載されており、HRWは「人口管理」は通常公安部が担当すると指摘しています。

 

同指南によると、生物データをタイプ別に複数の機関が収集することとし、さらに、他県に居住する者も含め同自治区に戸籍を置く者全ての情報を収集し、「村の世帯一つ残らず調査し、人を見れば必ず調査すること」としています。

 

同自治区の多くの地方政府は多岐にわたる生物データの収集の実施に関する細かい規則を定めているといいます。

 

新華社は11月1日、同自治区で今年、国民検診を受けた住民は1880万人以上だと報じました。

 

HRWは、住民が強制的に検診に参加させられること、DNAサンプルなどの生物データがさまざまな人権侵害行為に濫用されることを憂慮しています。

 

ウイグルアメリカ協会代表のイリシャト・コクボレ氏は、背後には恐るべき目的があると指摘します。

 

イリシャト・コクボレ氏は、中国政府はウイグル人を敵と見なし、同化するか絶滅させるかしようとしているとし、統制強化や生物兵器の開発のほかに3つ目の目的がある可能性を指摘しました。

 

ウイグルアメリカ協会代表 イリシャト・コクボレ氏:「ウイグル人という民族を臓器移植のストックにし、臓器移植が必要になると、ウイグル人の若者から臓器を調達するという可能性があります。生物データ収集の目的ははっきりとは分かりませんが、良いことに使われるのではないことは確かです。こうした生物データの採取をウイグル人に強制的に行っていることは、非常に危険な兆候です。」

 

中国外務省報道官は12月13日に記者会見を行いましたが、新疆ウイグル自治区で住民のDNAサンプルを収集しているとの情報について否定しませんでした。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/12/15/a1355068.html(中国語)

(翻訳/白白 ナレーター/佐藤 映像編集/李)

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