【新唐人日本2011年10月7日付ニュース】9月29日、中国は宇宙実験モジュール“天宮1号”を打ち上げました。一方、中国航空航天大学の元教授がミニブログで、“打ち上げ失敗を祈る”と発言し、波紋を呼びました。
“天宮1号”の研究にかかわった人員のほとんどは、北京航空航天大学からだそうです。“天宮1号”の発射前、同大学の元教授・王福重さんはミニブログで“打ち上げ失敗を祈る”と発言。発射後には“庶民の生活苦を哀れむ”と書き込みました。この書き込みは政府系メディアやネット警察の猛烈な罵倒を受け、王さんのミニブログも10月1日に閉鎖されました。
一方、政治評論家の李剣芒さんは、王教授の行為は正義に満ちた行為だと讃えます。面子事業のために納税者の税金を無駄遣いする当局に対し、批判するのは当たり前だからです。
オランダ在住の政治評論家・立里さんも同感を示します。庶民の生活、教育、医療などの基本的な社会福祉が整っていない中、巨額を宇宙開発につぎ込むのは、非難に値すると指摘。
“天宮1号”の打ち上げ前の9月27日、上海の地下鉄10号線では追突事故が発生し、280人あまりが負傷。しかし、政府系メディアはこの事故を“軽度の追突”だと控えめに報道。
“天宮1号”の打ち上げ後、中国の国内世論は焦点をこのことに移し、上海地下鉄の事故に関する後続報道はほとんどありませんでした。
在米中国問題専門家の章天亮さんは、庶民の怒りが爆発するのは必然的だと指摘します。
中国問題専門家 章天亮さん:「中国は専制社会で中共は独裁政党なので、全てのことは庶民と相談しません。米国の場合多くの宇宙技術が最終的には国民生活に使われ、生活の改善に使われます。しかし 中共は宇宙工業を面子事業としています。オリンピック後 中共は民族主義のカードが効かなくなると、多くの「面子事業」をやっています。今は中国人からも嘲られ、非難されています」
あるネットユーザーが「天宮1号」に誇りを感じるかどうかについて、ミニブログでアンケート調査を実施。結果、誇りを感じると投票したのは半数未満で、大半は自分と関係ないことだと答えたそうです。
中国問題専門家 章天亮さん:「宇宙工業がハイテクであるならば、地下鉄や高速鉄道の信号などはそれほどハイテクではなく、ごく普通の技術のはずです。宇宙工業ができるのなら、なぜもっと力を入れて庶民の生命安全や、交通安全問題や庶民の医療、社会年金保険 教育への投入を重視し、改善しないのか。中共のこのような手口はもう庶民を騙せなくなりました」
中国当局は宇宙開発においても世界一を目指して突き進んでいますが、評論家の立さんはこれは実際の意義のないことで、ほかの国は国民の生活改善を優先していると指摘します。
新唐人テレビがお伝えしました。