HOME > ニュースページ > 社会 > 詳細

グーグルの決断とその戦略意義

2010年03月30日

【新唐人2010年3月31日付ニュース】中国大陸からの撤退を宣言したグーグルは、事業の拠点を香港へ移転。これにより、グーグルの運命はいかに?香港出版界の重鎮は、このグーグルの選択を評価します。

香港で一番の富豪・李嘉誠(りかせい)氏が率いるTOM(トム)グループは、グーグルとの提携停止を発表。これを受け、香港入りしたグーグルの運命はより関心を呼びました。香港の雑誌・『開放』の金鐘編集長は、「グーグルは賢明な選択をした」と評価します。

香港誌『開放』の編集長 金鐘氏
「グーグルは香港を足場に出来ます。進退可能な場所に出来るのです。ここから一歩踏み出して、橋を渡ればそこは中国。足を戻せば香港、つまり資本主義。共産党が制御出来ない所です」
 
また金編集長は、「香港の微妙な二重身分は、多くの外資企業や民主活動家が香港を重視する原因であり、グーグルもその点に着目したのでは」と話します。
 
香港誌『開放』の編集長 金鐘氏
「香港には一種の…特殊な意義があります。香港なら事業可能なほか、しかも自らの影響力を中国大陸に浸透させられます。これは非常に戦略的な決断です」
 
また、グーグルが職業道徳を守り、中国市場から撤退したことは、自由世界からの賞賛を得た同時に、他の外資企業にも手本を示したと評価します。
 
香港誌『開放』の編集長 金鐘氏
「大陸の外資企業すべてに、警鐘を鳴らしたほか、再考させました」
 
香港政府は、「情報の自由を尊重する」と一貫して強調します。「移転後のグーグルの発展はある意味で、香港の一国二制度の試金石でもある」と評論家は言います。
 
新唐人記者が香港からお伝えしました。
 
■金鐘氏プロフィール

 1980年に中国本土から香港へ転居。1981年に中国情報月刊誌『七十年代』編集者となり、1987年に中国情報月刊誌『開放』を創刊、編集長として現在に至る。

 1997年からは開放出版社の編集長職も兼任し、『毛澤東鮮為人知的故事』(2006年)、『趙紫陽軟禁中的談話』(2007年)などのヒット作を刊行。著書に『鄧小平的中國』『中國的演變』、編著に『共
產中國五十年』『紅朝宰相周恩來』。『趙紫陽軟禁中的談話』と『紅朝宰相周恩來』は和訳版が日本で発売されている。

 1994年に台湾誌『中国通』の特集企画「華人の中国問題専門家はこの10人」の一人に選ばれる。「08憲章」発起人の中心人物・劉暁波氏は20年来の知己。1988年に行った劉氏へのインタビューが後に中国当局による劉氏批判の主要根拠となり、香港はもとより中国国内でも話題を呼んだ。香港の政論家としては中国政府によって入国を禁じられている唯一の人物(1996年~)。
 
注】このプロフィールはブログ「日々是チナヲチ。」(http://blog.goo.ne.jp/gokenin168/)の了解を得て同ブログより転載したものです。

 

トップページへ