HOME > ニュースページ > 経済 > 詳細

人民元 国際化へ高いハードル

2011年11月28日

【新唐人2011年11月28日付ニュース】人民元建ての貿易決済額が、今年7月~9月期で初めて減少しました。実は、人民元の決済を採用する外国企業は少なく、人民元決済の多くは、中国本土の企業による利ざや目的の取引です。専門家は、人民元がドルに追いつくのはまだまだ遠い話だと言い切ります。

米中経済安全保障検討委員会は、11月に議会へ提出した報告書で、これから5年から10年のうちに、人民元はドルの地位を脅かすだろうと指摘。

この報告書の内容について専門家は、最悪のケースを想定した警告であると分析。中国経済が毎年10%以上の成長率を保つ、という条件のもとでの推測だと言います。

米サウスカロライナ大学 謝田教授:「人民元がドルを脅かすにはまず自由通貨である必要があります。自由に流通できない通貨など誰も保有したくありません。第二に人民元は政府に操作されます。勝手にレートも変えられます。自分たちの資産を他国にゆだねる国などありますか」

中国人民銀行の最新の報告書によると、今年7月から9月期までの人民元建ての貿易決済が、初めて減少しました。

今年1月、イギリスの新聞、フィナンシャルタイムズは、人民元建ての貿易決済が盛んな原因を報道。まず、中国本土の会社が、自身の香港にある子会社との間で行う、利ざや狙いの取引。決済額が今回減ったのは、この利ざや狙いの取引が減ったためだと関係者は見ています。

銀行間での決済を取り扱うSWIFTのデータによると、人民元建ての国際的な決済の8割以上は香港と関係しています。真の対外取引はわずか8%にすぎません。

そのわずかな真の対外取引も、ほとんどベトナムやロシアなど、国境地帯の小さな貿易にとどまっていると謝田教授は指摘します。

米サウスカロライナ大学 謝田教授:「現在 中国の金融市場は大きな圧力に直面しています。まずは国際化の情勢、さらに外国資本も流出しています。ロシアやベトナムとの小さな貿易以外、人民元建ての決済はほぼなく、人民元が国際通貨になるなどまだまだ遠い話です」

世界的な銀行のある幹部は、「実際、貿易で人民元を採用する国際的企業はほとんどない」と発言。人民元使用に関する複雑な規定に、外国企業は二の足を踏むと説明します。

さらに中国経済が5年以内に、ハードランディングするおそれも、人民元国際化の障害となると謝教授は述べます。

また中国当局は、国有企業に補助金を出すなど保護政策をとり、外国の投資者に技術譲渡を迫るなど、国内経済に大きく干渉しています。

そのうえ、国を超えた資本の移動を厳しく制限し、人民元レートを低く保つための市場介入も続けています。

アメリカの上院では、10月、人民元が低く操作されている分、中国からの輸入品に報復関税をかける法案が可決されました。

また、アメリカ通商代表部のロンカーク代表やブライソン商務長官も米中商業貿易連合委員会の会議に出席するため、中国を訪問。両国政府が貿易問題を話し合うための主な場になっています。

新唐人テレビがお伝えしました。

【禁闻】人民币能匹敌美元-肥皂泡再现.html

 

トップページへ