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蒼頡の涙ー漢字の由来

2011年12月30日

 

【冒頭の詩】 
混沌とした宇宙 
荒れて果てしなかった 
盤古が天を開き 
天地が現れた 
女媧が人を造ったから 
女性が先 
蒼頡が字を造り 
まばゆい光が現れた 
中華文化は 
後世へと伝わる 


 

【あらすじ】 
中国語ブームに沸く世界。それで多くの中国語学習者が触れるのが、現在の中国で使われている簡体字だ。簡体字はその名の通り簡略化された漢字で、例えば門が「门」だったり、賢が「贤」だったりする。外国人にとって、簡体字は覚えやすくありがたい。かくいう筆者も楽できる、とほくそ笑んだものだ。 

しかし、漢字の成り立ちにひとたび触れると、そんな考えはあっという間に吹き飛んでしまう。なぜなら、すべての漢字には大いなる物語が秘められており、その一画一画にも深い意味があるからだ。 

例えば、「聖」。見ての通り、大きな耳と口を持つ。つまり物分りが良く、きちんと道理を説ける人物のこと。だが、今の簡体字では「圣」と書く。これでは分からず屋で口下手な人になってしまう。しかも、この「圣」はまるで「怪」のようで、元の意味からはかけ離れてしまうのだ。 

伝説によれば漢字は、「蒼頡(そうけつ)」という黄帝(こうてい)に仕えた仕官によって伝えられた。その目的はほかでもなく、中華文化を残し伝えていくため。だからこそ、この一字一字、一画一画に中華文化の精神、真髄がこめられているのだ。  

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