【新唐人日本2012年8月24日付ニュース】中国の大国としての地位とは。中国の著名経済学者・茅于軾(ぼううしょく)さんが最近、ブログに文章を発表し、政治体制から人類文明に対する貢献度、人権などの様々な面から見て、中国は大国とは程遠いと指摘しています。
中国の自由派経済学者・茅于軾さんが19日、自身のブログに“中国の大国としての地位とは何か”と題した文章を発表しました。
文章は、国際関係において中国はますます自己満足に陥り、よく大国の身分で発言すると指摘。例えば、「これに対し、わが国は深い関心を示す」。これは外交辞令に最もよく使われる言葉です。近年、中国は更に軍備を強化し、隣国との関係においても本質的な変化が起きつつあります。しかし、このような変化は中国の長期的な発展と国際秩序の維持において、果たして有利なのかどうか、茅さんは疑問を投げかけます。
著名経済学者 茅于軾さん
「この問題は今に現れた問題ではなく、ずっと存在していた問題です。つまり 中国はGDPが世界二位を占めているのに、なぜ我々は世界大国にはなれないのか?これは考える価値のある問題です」
茅さんは様々な角度から中国に存在する問題を指摘します。例えば、人権や普遍的な価値観への尊重は国際的流れですが、中国はずっとこの流れに乗る事ができません。人権や普遍的な価値観への尊重は国際的流れである。中国はずっとこの流れに乗る事ができない。
著名経済学者 茅于軾さん
「他の世界的大国はみな普遍的な価値観や人権を認めますが、我々は違います。中国の問題は多いです。政府と庶民の衝突は人権を尊重しないからです。重慶の公安局長(王立軍)さえも安全感がありません。人権のないからです。公安局長さえ安全感がないのですから、庶民は尚更です」
王立軍の米領事館駆け込み事件によって、薄熙来一家の犯罪行為が明らかになり、妻・谷開来の殺人事件が発覚しました。茅さんは、共産党が執政して以来、政府は家庭の権力道具に変わったと指摘します。
著名経済学者 茅于軾さん
「重要な問題は重慶市政府、公安部門の多くの重要人物が谷開来のために事実を隠蔽していることです。彼らはみな政府の公務員で、張暁軍(薄家使用人)も含めてです。これはおそらく薄熙来だけの問題ではなく、他の問題もあるでしょう。中国政府の根本的な問題は公権が家族勢力に独占されていることです」
なぜ中国は大国とは程遠いのか。茅さんは更に指摘します。例えば、中国には13億もの人口がいるものの、人類文明に対する貢献はほとんどなく、一部の小国にも及びません。全ての重要な発明は中国人によるものではありません。また、中国は世界各国の人々から見て魅力に欠けています。
著名経済学者 茅于軾さん
「例えば、中国に移民したいと思う人はほとんどいませんが、中国人は逆に外国に移民したがります。中国旅券のビザ免除は難しく、中国は世界的大国とはまだまだ遠いのです」
また、中国が国際社会で発言権を有し、他国から尊敬されるためには、グローバルな目線で公正かつ全面的に問題を考慮し、国民の人権と安全を首位に置かなければなりません。古いものを捨て、人類が直面している新しい環境に向け、新しい解決法を探索してこそ、中国が持つべき大国の立場だと示します。
著名経済学者 茅于軾さん
「人民の利益と国家の利益は時に衝突しますが、このときは国家の利益を犠牲にして、人民の利益を保護すべきです。政府のやり方は逆です。人民の利益を犠牲にして、国家の利益を保護しています。国家の利益とは何か、はっきり言うと指導者と外交官の利益です。これが問題の本質です」
茅さんのこの文章はすでに新浪微博から検索できなくなっています。茅さんによると、過去には茅さんが書いた文章が削除されたことはなかったそうです。このことから、当局の情報統制が更に厳しくなった事が分かると述べます。
著名経済学者 茅于軾さん
「これは明らかに良くない事です。世界の流れに反する情報検閲です。最もいけないことです」
茅さんは最後、言論統制は当局が数千万元を投じて行っている“安定維持”手段の一つで、このような安定維持のための手段が増えれば増えるほど、ますます不安定になっていっていると結びました。
新唐人テレビがお伝えしました。
(翻訳/坂本 ナレーター/佐藤(マ) 映像編集/工)