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政府系学者「2013年中国経済危機勃発」

2012年08月31日

 【新唐人2012年9月1日付ニュース】最近、中国国務院のある経済学者の内部報告書がネット上で広く伝わり、中国で近い将来経済危機が勃発すると予測しています。政府系の学者によるこのような大胆な発言は中国では珍しいため、注目が集まっています。一方、報告書が取り上げた問題は、専門家らがかねてから指摘している問題であるとの声もあります。また、報告書が出回っている時期から見て、間もなく開かれる党大会と関係あるかもしれないとの見方もあります。

 
 “2013年中国の経済危機勃発”と題したこの報告書は、最近、中国のネット上で注目を集めています。この報告書は“中国国務院発展研究センター資源と環境政策研究所”の李佐軍副所長が去年9月17日の内部報告会で行った講演内容です。報道によると、報告書は小範囲で伝わっていたのが、最近突然ネット上に出回り、広く転載されているそうです。
 
報告書の中で李佐軍氏は二つの問題を提起。一つは、現下の中国国内外の形勢および未来の形勢をどう見るべきか。また、どのように変わっていくのか。もう一つは、中国の企業と企業家および一般民衆はどうすべきか。
 
李氏は4つの原因を挙げて、間もなく到来する経済危機を分析。
 
まずは、不動産バブルと地方政府の収支の不均衡による債務などの経済問題。次は、国際ホットマネーの撤退。三つ目は、短期、中期、長期の景気循環定律。四つ目は、第18回共産党大会の権力交代期間中、当局は手を尽くして表面上の経済発展の安定を維持しようとしている。この四つの原因から、中国の経済危機は2013年7月から8月にかけて全面的に勃発すると分析。
 
米ハーバード大学 政治経済博士 楊建利さん
「中国経済の景気後退と経済危機を系統的に論述できるのも稀です。体制内の学者が自らこのように系統的にこの問題を論述することは敬服に値します。ある程度の度胸が必要で、しかも事実を言ったということは評価すべきです」
 
一方、報告書の観点は近年、すでに多くの専門家が提起している問題でもあります。
 
経済評論家・ジェイソンさんは、海外の情報に接触できない中国の人々にとって、この報告書の内容は確かに珍しいものだと示します。ただ、報告書の観点はすでに秘密でなくなっていると指摘します。
 
経済評論家 ジェイソンさん
「今の中国の経済問題はすでに目に見えて明らかです。すでに何度も言及し、海外メディアも繰り返し報じているので、これは新しい観点ではありません。しかも 一部の大きな問題は中国の一部経済学者もすでに指摘しています。李氏は我々が目にしたことのない新しいデータは提示していないからです」
 
また、経済学では経済危機勃発を測る明確な概念がないといいます。例えば、中国の一部地域では毎月15%の飲食業者が倒産し、珠江デルタではすでに多くの中小企業が倒産または移転しています。また、1960年から1962年の大飢饉では数千万人が餓死しましたが、これらは経済危機ではないのでしょうか。中国当局はもちろん認めていません。
 
更には、中国が公表しているデータのほとんどは、官僚による偽造データだと指摘します。
 
経済評論家 ジェイソンさん
「中国経済危機はいつ勃発するかについて、私はずっと触れませんでした。経済危機勃発とは何でしょうか。西側ではGDPが連続2期(四半期)マイナス成長すると、景気後退と認識します。中国ではこの現象が起きていないのか私は疑問に思っています。中国の(経済)問題を庶民が負担できなくなった時、社会全体で危機が勃発すると思います。彼のような体制内の人がこのような話をしたことから、我々がかねてから指摘してきた多くの問題に対して、彼らも注目している事がわかります」
 
一方、楊建利さんは、李氏が去年行った講演会の資料が今になって再び出回るということは、間もなく開かれる党大会と関係あるかもしれないと分析します。
 
米ハーバード大学 政治経済博士 楊建利さん
「今の中国の上層部が口をそろえて、思想を統一することはもう不可能です。18大前に一部の人更には共産党内部の各派閥の人も含めて、皆この時期に情報を流し、18大の路線策定に影響しようと思っているのでしょう」
 
また、中国経済が持続的に発展できなくなったとき、全ての社会矛盾が表面化し、最終的には政治変革の問題に発展するだろうと指摘します。
 
 
新唐人テレビがお伝えしました。
(翻訳/坂本 ナレーター/村上 映像編集/工)
 
 

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