【新唐人2012年9月24日付ニュース】中国各地で巻き起こった反日活動では、暴力、破壊、日系店舗からの略奪や日本車の焼き払いなどが見られました。9月18日と19日、複数の日本企業が中国の小売店と工場を暫時(ざんじ)閉鎖しました。同時に、中国共産党メディアは連日文章を発表し、損をしてでも日本に対する経済制裁の実施を提案しています。一方、エコノミストは、いったん日中間で経済戦争が起きてしまえば、本当の勝者はいないだろうと指摘しています。
18日、総合スーパーのイオンは中国にある35店舗のうち、30店舗の営業を中止しました。この他、セブンイレブンが198店を休業させ、アパレルではファーストリテイリングがユニクロ60店舗の営業を中止し、200人の日本人スタッフには自宅待機を要求したとのことです。青島で放火の被害を受けたトヨタとホンダは、18日19日に中国工場での生産を一時停止。マツダ、三菱、松下なども、中国工場での生産を一時停止しました。
これと同時に、中国共産党メディアは日本に対する経済制裁の実施を提案しています。
海外版“人民日報”は17日、“中国はいつ日本に対し経済の引き金を引くのか”の見出しの文章を発表。同日の政府系英文紙”チャイナ・デイリー”も“日本への制裁を考えるべき”(Consider Sanctions on Japan)という文章を発表しました。
日本企業の相次ぐ営業停止後、中国国営テレビ局の中央電視台および各地方の衛星テレビは次々と番組を制作。専門家を招いて日中の経済戦争についての評論を行いました。経済制裁による打撃は日本にとって致命的だが、中国に対する影響は大きくないという一致した意見を述べています。
一方、アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルは、中国が日本に対し経済制裁を実施した場合、日中どちらの受けるダメージが重いのかについてはまだ論争があるものの、どちらも影響を受けることは疑う余地がないと報道。また、中国はずっと日本の資本や技術投資に大きく依存している上、日本はアメリカとEUに次ぐ中国の輸出市場であると指摘しました。
経済コラムニスト 段紹訳さん
「日本製品の排斥で日本製品の中国での販売量が減少すると、日本の就業、輸出、GDPに影響を及ぼします。同様に中国にも影響があり、国民の生活水準が低下し、収入も減ります。なぜなら貿易は両者にとってプラスとなるものだからです。一方が良いところを得て、もう一方もよいところを得ます。だから日本製の排斥は実際には相手も自分も損をすることなのです」
時事評論家・陳志飛さんは、長い目でに見たとき、ひとたび日中経済に争いが起これば、中国の投資環境にマイナスイメージが作られてしまうと指摘します。
時事評論家 陳志飛さん
「これは政治事件ですが、経済発展の角度から見れば、投資環境の最も重要な現れは政治体制の安定や法律制度の健全です。現在政府は民間のこのようなやり方を放任していますが、政治目的があるからです。しかし、中長期的にみれば、日本企業の中国での利益にダメージを与えるだけでなく、中国の長期的な経済発展にもダメージを与えます」
イギリスのフィナンシャル・タイムズ中国語サイト“投資と財産管理”の編集者・馮涛(ひょう とう)さんは、日中間で経済戦争になった場合、勝ち負けはさておき、“敵を千傷つけても、自分は8百の損をする”ことになり、この「戦争」の真の勝利者はいないと指摘しています。
一方、“人民日報”の文章は、中国には“敵を千傷つけ、自分は8百の損をする”意志とそれに耐える力があるという主張しています。しかし、今回キャノンが2日間操業停止したことで、従業員2万2千人の有給休暇が発生しました。日本企業の中国撤退が拡大すれば、中国人従業員の大量失業が中国社会にもたらす重圧は、疑う余地もありません。
新唐人テレビがお伝えしました。
(翻訳/赤平 編集/坂本 ナレーター/佐藤 映像編集/工)