【新唐人2013年2月7日付ニュース】大気汚染が深刻な北京では今年1月、31日のうち、25日が“スモッグデー”でした。2月1日になってやっと北京に青空が戻りました。しかし、中国北方地域全体の汚染は深刻化の一途を辿り、民衆の不満も、これに伴ってヒートアップしています。当局が緊急措置を打ち出し、北京を取り巻くスモッグに対応しても、市民はすでに当局に対し信頼を失っています。
中国工程院の鐘南山院士は最近、SARSは隔離して治療可能な疾病であるが、大気汚染はいかなる人も逃げられないと表明し、“SARSよりもずっと恐ろしい”と述べました。
河北省 曹さん
「報道を見ましたが、スモッグはSARSよりも恐ろしいと言っていました。かなり長く続いています。今日は初めての晴天です」
中国の中央テレビの番組“新聞1+1”は先日、“スモッグの悪化に伴い、対策はグレードアップすべきか”をテーマに、中国工程院の鐘南山院士に電話取材を行いました。鐘氏は、研究データでは、超微粒子PM2.5が1㎥ごと10μg(マイクログラム)増加するだけで、呼吸器疾患による入院率は3.1%増加すると指摘しました。
北京地球村環境教育センター 張さん
「今のような酷い汚染は潜在的な危害ではなく、確実な危害です。この2日間だけでも、各病院の呼吸器科の受診者数が大きく増えています」
スモッグは、呼吸器に影響するだけでなく、心臓血管や脳血管、神経系統にも危害を与えると言われています。実際ここ10年来、北京市民の肺ガン発症率が60%増加しています。
北京市民 劉さん
「今のこのような問題は、既に北京だけの問題ではなくなっています。一昨日 河北省の省都・石家荘に出張しましたが、汽車から見ると、途中のどこもスモッグに覆われていていました。北方地域の汚染は既に非常に深刻です」
1月29日午前、北京市の中心部に位置する米国大使館が観測した大気品質指数は517でした。米大使館はTwitter(@BeijingAir)上で、この等級は“測定の範囲を超えている”とつぶやきました。
翌日の1月30日、北京市当局は、緊急措置を打ち出し、北京を覆うスモッグ対策に乗り出しました。“ニューヨーク・タイムズ”紙中国語版は、“茶色かかった灰色の煤煙が、共産党に模範的な都市と称されている都市を覆っている”と報道。中国政府系メディアの報道によると、当局は応急措置として100余りの工場を暫定的に閉鎖し、3分の1の政府車両の市内乗り入れを禁止にしました。
一方、北京市の常住人口は2,000万を超え、流動人口は計測不可能です。大気汚染によって病院の受診者数が増えたほか、交通事故も大幅に増加しています。
北京市民 劉さん
「昨日だけでも北京では200件以上の交通事故が発生し、各地で渋滞が現われています。一昨日も昨日も走りましたが鼻と喉の調子が悪く、鼻水が出るし 、体調も悪いです。どうしようもありません。ここで生活しているから、普通のマスクではpm2.5以下の微顆粒は防げません」
中国では少なくとも8億人が“スモッグの被害者”となっています。そんな中、大気汚染の元凶の一人と断罪されているのが中国石油化学集団。傅成玉(ふ・せいぎょく)会長は31日、石油精製企業は、スモッグに直接責任を負う者の一つであると認めながらも、これは企業水準が低いからではなく、精製油に含まれる硫黄含有量に対する “国の基準が不十分だ”と主張しました。
EUや日本のガソリンの硫黄含有量は10ppmで、欧州の排ガス基準“ユーロ5”が基準となっているのに対し、中国は依然としてユーロ3の150ppmが基準となっています。つまり、中国の大部分のガソリンの硫黄含有量は、日本やEUの15倍に上るということです。
北京市民 劉さん
「ある環境保護組織のボランティアをしていた。友人から聞いた話ですが、その組織が自分でPM2.5測定機器を購入して、大気を測ろうとしたら、販売業者から『機器は測定した数値が小さくなるように調整してある』と告げられたそうです。業者いわく『政府にあら捜しして欲しくないためだ、もし測ったのが真実の数字ならば面倒なことになるから』と言っていたそうです」
香港のアップルデイリーの報道によると、中国国内の多くのタレントもスモッグのため続々と寝込んだすえ、反逆を試みています。女優の宋丹丹さんは“どこの国で晩年を過ごそうかな?”と慨嘆。有名人のこれらの言動に対し、ネットユーザーが砲火を浴びせます。“スターや金持ちはスモッグを防げなくなると、最悪の場合は各自が国から逃げ出す。移民する金のない平民は、独裁国家で病死するしかない”
新唐人テレビがお伝えしました。
<span style="" font-family:="" 'ms="" p????',="" ????',="" '??????="" pro="" w3';="" font-size:="" 15px;="" line-height:="" 20px;""="">(翻訳/松本 編集/坂本 ナレーター/大口 映像編集/蒋)