【新唐人2009年10月27日付ニュース】北京当局はこのほど、第3四半期の国内総生産の伸び率などを公表した。しかし国際メディアは中国の経済成長に対し疑問を投げかけている。中国のGDP成長の背後に隠されている問題とは?
中共当局は10月22日、第3四半期の国内総生産の成長率を前年比8.9%増と発表。「ロサンゼルスタイムス」によると、中国経済評論家のマサチューセッツ工科大学の黃亞生教授は、中共は中国の経済を完全に間違った方向へ導いていると指摘した。
報道によると、中国経済の再生のキーポイントは、北京政府が今年推進している5,850億ドルの景気刺激策と1.27兆ドルに上る新たな銀行融資。大量の資金が投入され産業の活発化を維持でき、就職率も合理的なレベルを保ち、数十億ドルの価値がある公共基礎建設計画も実行できる。
これらの政策は民営の小規模企業の犠牲を代価に、依然大型の国営企業が利益を得る仕組みになっている。
「ウォール・ストリート・ジャーナル」の(ジャーナリスト)崔宇氏は、中国経済成長はずっと生煮え状態で、GDPと財政収入は高成長を続けてはいるが、国民の就職と収入には繋がっていない。今回の経済再生はまた同じやり口の繰り返しで、主に政府主導の高額投資に頼っており、消費を刺激するものではないと指摘。
「やがて中国の崩壊がはじまる」の著者で法律専門家のゴードン・チャン氏は「フォーブス」のウェブサイトに発表した文章で、需要が低迷していた90年代、北京政府は工場に命令を下し、製品を大量生産させたと言及。現在、中共指導者らがまたこの手を使っている形跡が現れている。
マーケットアナリストらはここ3ヶ月間の驚異的な自動車販売台数で中国経済の成長を証明しようとしている。一方、中央政府が国有企業に自動車を大量購入し各地の駐車場に止めて置くよう命じたとの報告がある。
「商業週刊」の報道によると、モルガン・スタンレー アジア会長. スティーブン・ローチ氏は、中国経済の問題点は経済成長の品質の程度にあると見ている。
30年来、中国の繁栄は不動産と廉価労働力で製造した低価格の製品に頼ってきた。労働者が国営銀行にお金を預けると、銀行はそれを企業に貸し、もっと多くの廉価商品を生産させる。しかし、技術と専門的な管理知識はほとんどが外資系企業からで、環境汚染、社会福祉の減少および都市部と農村の格差の拡大によりかかるコストはほとんど無視されていると指摘した。