【新唐人2010年8月6日付ニュース】メキシコ湾沖の原油漏れ事故が世界の注目を浴びていますが、実は、中国・大連で起きたパイプラインの爆発による原油漏れ事故も、それに匹敵するほど環境汚染が深刻だと専門家は指摘します。この点を確かめるため、ある有名メディアが当局に電話をしましたが、まったく回答はありません。
7月16日午後6時10分、遼寧省大連でパイプラインが爆発し、1500トンの原油が流出。
この後、地元政府は漁師たちに原油の除去を呼びかけます。120キロのドラム缶を300元で買い取るというのです。
そして800艘の漁船が海に出ましたが、油の膜が厚くてなかなか進めず、周囲3~4海里しか処理できません。
沿岸では養殖業が盛んで、50軒あまりが養殖にたずさわっています。政府はオイルフェンスを設けて、原油を食い止めようとしています。しかし油でフタをされた海では、養殖された魚介類が死亡すると見られています。
グリーンピースによると、大連当局は作業に関わる人たちに対し、何の保護措置もとっていません。彼らは、手袋やマスク、長靴すらない状態で、ヘドロにまみれながら作業をしています。
吐き気や皮膚の炎症など、中毒症状を起こす人は絶えません。7月29日、急性中毒で病院に運ばれた作業員もいました。
大連で起こった原油漏れ事故は、数々の問題を浮き彫りにしました。そこで、グリーンピースは当局へ6つの提案をしました。情報の透明化やインフラへのリスク調査、石油漏れの対応策・環境への影響の調査、関連法案の整備およびクリーンエネルギーの発展。
8月1日、『ボイス・オブ・アメリカ』はメキシコ湾沖の原油漏れ事故の評価をしている専門家、スタンナーさんの話を報道。スタンナーさんは、この事故が生態系に与える長期的な悪影響は、21年前のアラスカ沖で起こったタンカー事故に匹敵すると指摘します。この事故は、メキシコ湾の事故以前は史上最悪の環境破壊事故といわれていました。
しかし、ボイス・オブ・アメリカの問い合わせに対し、大連当局は対応しません。グリーン・ピースの呼びかけにも回答がないままです。
新唐人記者がお送りしました。