HOME > ニュースページ > 環境問題 > 詳細

中国科学院「スモッグから致死性の物質」

2013年02月25日

 

【新唐人2013年2月25日付ニュース】連日中国各地を覆うスモッグ。特に北方都市では、一日中スモッグに覆われ、可視度が極めて低い日が続いています。そんな中、北京、天津、河北省のスモッグに含まれる微粒子物質から、危険な有機化合物が検出されました。アメリカでは20世紀の半ば、ロサンゼルスで光化学スモッグによる汚染物質が原因で800人が死亡しました。あるネットユーザーは、人口比率からすると、北京では少なくとも8万人がこの種の有害汚染物質で死ぬ計算になると指摘しています。

 

中国科学院が発表した最新研究データによると、今回中国東部・中部を席巻しているスモッグの中から、20世紀半ばに800人の死者を出した“ロサンゼルススモッグと同じ物質が検出されました。窒素を含むこの種の微粒子物質は”最も危険なシグナル“として認識されています。

 

中国中山大学薬学院 黎星術教授

「窒素を含んだスモッグの主要成分は二酸化窒素です。これらの物質は二酸化硫黄や排気ガス、それに天気が悪く湿度が高いと、付着して大きな顆粒になります。人体に吸入されると、癌になる可能性があります」

 

中国メディアの報道によると、現在、北京などの各大手病院は診察待ちの患者でごった返しています。うち、過半数が呼吸器感染の患者で、児童病院ではさらに、1日あたり診察者数が平均1万人にも上っているそうです。

 

中国中山大学薬学院 黎星術教授

「スモッグに含まれる二酸化硫黄や二酸化窒素は呼吸器を刺激し、気管支炎などを引き起こします」

 

中国科学院の研究結果に対し、長期にわたってスモッグの中で生活せざるを得ない北京市民は、複雑な心境です。

 

北京市民 李さん

「我々は今 もう何も恐れません。一々気にしてたら生きてられません。仕事、勉強、生活のどれも外出は避けられないから仕方ありません。どうしようもないです。権力を失った時、生存権が脅かされる時、我々はどうしようもありません。我々には官僚を選ぶ権利がないので、官僚も庶民のために動きません。我々が生存する自然環境は政治環境の生々しい表れです」

 

改革開放から30年。GDP成長率の代わりに払った代償は、自然環境の破壊です。近年、ますます多くの汚染問題が水面上に浮上しています。生きるために必要不可欠な空気や水さえもお金で購入しないといけなくなったとき、中国の土地は次の10年を迎える余裕があるのでしょうか。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

 

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/02/18/atext848704.html (中国語)

(翻訳/坂本 ナレーター/村上 映像編集/工)

トップページへ