【新唐人2013年3月8日付ニュース】2月27日、アメリカのウォールストリート・ジャーナルが”民間債務激増、中国に埋められた時限爆弾“と題する文章を掲載。文章は、2008年以降、中国の公的および民間債務はGDPの2倍を超え、これは開発途上国では前例のないレベルで、経済崩壊を引き起こす時限爆弾であると指摘しています。
文章によると、中国経済はずっと大量の投資に依存しており、特に2008年の金融危機以降、経済成長率を維持するため、共産党官僚らは4億元の景気刺激策を打ち出し、毎年の新規貸付額は3倍以上に拡大。過去の12ヵ月間だけでも、新規貸付額は2兆7500億ドルに達していますが、うち半分が“影の銀行―シャドーバンキング”から来ているといいます。投資がGDPに占める割合は43%から48%に上昇し、これはいかなる大国でも前例のないことです。
この文章の作者はモルガン・スタンレーの新興マーケティング部責任者シャーマ(Ruchir Sharma)氏。現在中国の公的および民間債務総額はGDPの 2倍を超え、発展途上国では前例がないレベルだと指摘します。民間債務の増加速度を測る最も重要な指標からみると、中国はすでに危険ゾーンに入っていると警告します。
シャーマ氏はさらに、国際決済銀行の指標または国際通貨基金IMFの指標のいずれに基づいても、中国はまもなく金融危機に直面すると指摘します。
アメリカサウスカロライナ大学の謝田教授は、影の銀行による大量の貸し付けは中国社会を威嚇する爆弾だと述べます。 中国の金融システムの不完全さが原因で、中小企業や民間企業は国営銀行から融資を受けられず、やむなく高利の影の銀行を利用。返済できなくなったとき、企業が倒産または経営者が姿をくらますことになり、貸し付けは不良債権となります。
米サウスカロライナ大学 謝田教授
「不良債権が出現すると、まず、これら地下銀行や影の銀行が大量破産し、多くの人が巻き添えになります。その多くが中小企業、私営企業、民営企業の経営者かもしれません。彼らが大量に破産すると、深刻な失業・就業問題も引き起こされます」
また、中国の失業率が上昇を続け、経済が衰退を続ける、または中央政府が金融引き締めを行えば、随時この爆弾の爆発を引き起こし、さらには国営銀行さえ影響を受け破綻する可能性があると指摘します。
シャーマ氏は、中国が金融危機から逃れることができたとしても、不良債権に伴う経済成長の減速から逃れることは不可能だと指摘します。 事実上、中国では銀行貸し付け額の3分の1が不動産投機に流れ、輸出と工業生産もすでに鈍化し始めています。中国がもし経済均衡を再確立したいのなら、投資を減らし、債務拡大にブレーキをかけるしかないと指摘します。
中国の経済危機の到来については、中国の多くの学者も警告を発しています。国務院発展研究センター資源と環境政策研究所の李佐軍(りさぐん)副所長は、内部報告会において“2013年中国で経済危機勃発”と題する講演を行い、経済危機の原因は不動産バブルの崩壊と地方債務危機であると述べました。
しかし、中国共産党政府は“金融システムや経済成長にはリスクがほとんど存在しない。 なぜなら中国の対外債務は非常に少なく、3兆ドルの外貨準備高と膨大な国内貯蓄があるので、不良債権のリスクには十分耐えられる”としています。
新唐人の特約経済評論家ジェイソン・マさんも中国の銀行は共産党政府の所有なので、不良債権が大量に現れても当局は危機を転嫁し、国民に背負わせると述べます。
新唐人特約経済評論家 ジェイソン・馬さん
「昨年の経済成長減速から、中共の解決策とはやたらに銀行の貸付を増やすことでした。つまり地方政府と大型中型企業が債務を作るわけですが、この貸付は最終的には紙幣の印刷に変わりました。過去の30年の間、或いは中共執政の60年余りの間、このような事は何度もありました。最終解決策は銀行が紙幣を多めに印刷し、債務をインフレに変えたのです。最終的には民衆がインフレで中共の債務問題を解決するのです」
1959年から62年までのいわゆる“3年自然災害”で、中国では3千万人が餓死しました。外国に言わせればこれは経済の破たんですが、中国共産党は経済破綻を認めていないばかりか、執政に問題があることも認めていません。馬さんは、中国の問題は国際規律とは切り離して見るべきだと指摘します。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/03/01/atext855052.html (中国語)
(翻訳/坂本 ナレーター/村上 映像編集/工)