【新唐人2013年07月17日付ニュース】中国赤十字会をめぐる醜聞が絶えません。赤十字会は政府の定めた臓器ドナーの第三者監督機関で、臓器ドナーの資源を掌握しています。しかし、移植を行う病院が赤十字会からのドナーを希望すると、寄付金を要求されるそうです。病院側は、赤十字会の帳簿が公開されないことに対し、利益を得ているのではないかと疑問を抱いています。この問題について評論家は、病院もクリーンではなく、どちらも臓器移植で利益を得ていると指摘します。
7月8日の中国メディアは、広州軍区広州総病院の臓器調達グループが最近、深セン赤十字会と臓器ドナー問題の協力において、“凍結期間”に入ったと報道。ここ数か月、病院は深セン赤十字会から潜在的な臓器ドナーの情報を得られない状態だそうです。病院側職員はメディアに対し、寄付金停止が関係している可能性があると伝えています。この職員によると、深セン赤十字会は掌握している潜在的なドナーの情報をもとに、病院に寄付金を要求しているそうです。しかし、病院からの献金の用途明細を赤十字側は一度も公開したことがないそうです。
中国が自らの意思で臓器を提供する臓器提供システムを始めて3年余り。提供率はいまだに100万分の1未満です。毎年およそ30万人が臓器移植を待っていますが、わずか1万人ほどしか移植手術を受けることが出来ません。
各地の移植費用も様々で、昨年、広州市中山病院で移植手術をうけたばかりの患者がメデイアに明かした情報によると、移植に100万元以上かかったそうです。また、南京市では十数万元で肝臓移植を受ける事ができますが、一部の地方では4〜50万元かかるところもあるようです。
深セン赤十字会の趙麗珍副会長はメディアに対し、臓器移植で最も利益を得るのは移植を行った病院で、病院は患者の手術費などから得る利益の一部をドナーの医療費不足に充てるべきだと主張しています。
病院側も同様に、赤十字会が臓器移植の中から利益を得ていると非難しています。広州のある移植病院職員によると、深セン赤十字会が提供するドナー情報では、具体的な価格基準が示されており、臓器の平均価格は10万元。“しかし病院が支払ったこのお金がどのように使用されているのか、社会は知らない”と話しています。
深センの家庭教師・孟醒さんは、病院と赤十字会はどちらも臓器移植を利用し、金儲けをしていると話します。
深圳の家庭教師 孟醒さん
「臓器をひとつ移植するのに数十万元かかります。実際の医療費はそれほどかかりますか?私は不可能だと思います。臓器が無料だとしたら、手術費用がそれほどかからないはずです。ウェブを見ると、赤十字会は寄付を強要しています。献金してから、情報を提供するのです。赤十字会も間違いなく、金儲けしています」
中国労働関係学院の王江松教授は、赤十字会は伝統的にコストのかからない商売をしていると批判します。例えば、公民が無償で献血した血液を赤十字会は病院に売り、また輸血を受ける患者は料金を支払わなくてはなりません。赤十字会がこの様な特権を持つのは、中国共産党に属する唯一の慈善機構だからだと指摘しています。
中国労働関係学院 王江松教授
「彼らの体制内では合法的な独占権利なのです。その権利をどのように与えるのか?法的な根拠が何かはわかりません。しかし その特権は政府が与えたと思います」
2010年3月、中国が臓器提供システムを打ち立てた際、赤十字会を第三者機関として介入させ、臓器ドナー登録や証人等、表向きは臓器提供が取引になることを防止する役割を負わせました。
しかし、ドナーが善意で無償提供した臓器は、他人の金儲けの道具になっています。
今回、中国の病院と赤十字会が臓器移植の利潤チェーン上における利益分配の矛盾を互いに非難し合ったことにより、中国の臓器移植の黒幕の一部が明らかになりました。
患者が病院のベッドに横たわっているとき、病院がすでにその臓器に目をつけているとしたら、その時、医者は患者の命を救うのでしょうか、それとも臓器目当てで命を奪うのでしょうか。
中国労働関係学院 王江松教授
「今の中国には最低ラインなどありません。どんな恐ろしい事でも起こり得るのです。今我々中国人は確かに恐怖と不安の中にいます。あまりにも多くのことが発生し、人々に安心感はありません」
法輪功に対する迫害を追跡調査する国際組織の報告によると、広州軍区総病院泌尿外科・朱雲松主任は、調査員との会話の際、病院が法輪功学習者の身体から臓器を奪取し、臓器移植の供給源としていることを認めています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/07/09/atext927882.html(中国語)
(翻訳/赤平 編集/坂本 ナレーター/村上 映像編集/蒋)