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NDM-1 中国に大きなリスク――世界最大の抗生物質大国

2010年10月08日

【新唐人2010年10月8日付ニュース】ここ2ヶ月、日本や欧米、香港などで、大半の抗生物質が効かないNDM-1を持つ細菌が拡大。すでに6名が亡くなりました。専門家は、抗生物質大国、中国の危険を警告します。

NDM-1は細菌の名称ではなく、大半の抗生物質が効かない、遺伝子を指します。この遺伝子が作り出す酵素は、新たに生まれた抗生物質を分解できます。そこで細菌がこの遺伝子を持つと、すべての抗生物質が効かなくなってしまいます。これが「スーパー細菌」と呼ばれるゆえんです。
 
「スーパー細菌」に対し、世界の警戒心が高まっています。中国工程院の会員、鐘南山(しょうなんざん)さんは「華西都市報」の取材に対し、「スーパー細菌」は主に、人類が抗生物質を乱用したために生まれた細菌で、ほぼすべての抗生物質が効かなくなっています。
 
中国は抗生物質大国です。抗生物質の原料を毎年約21万トン生産し、3万トンを世界へ輸出、残りの18万トンは国内用です。1人当たりの平均消費量は138グラム、アメリカの13グラムの10倍以上。毎年、抗生物質の乱用で、医療費は800億元もかさんでいます。
 
2006年から2007年度の中国・衛生省の報告によると、全国の病院で抗生物質の使用率は74%にまで達します。これは世界でもまれに見る高さです。
 
アメリカやイギリスなどの先進国では、病院の抗生物質の使用率は22%から25%。中国の入院患者は、抗生物質の使用率が70%で、外科患者の場合では97%とほぼ全員です。
 
これだけではなく、中国大陸では農業や漁業でも抗生物質が乱用されており、スーパー細菌を招く恐れがあります。
 
現在、中国のスーパー細菌のリストは増える一方で、院内感染の主な元凶です。
 
これらスーパー細菌の感染者は、インドやパキスタンに集中。感染ルートはまだ確定されていないものの、主な感染源は、インドやパキスタンなど中国の隣国です。現在の感染の速さと人の行き交いの頻繁さを考えると、NDM-1が中国に入ってくる可能性を否定できません。
 
また、中国での抗生物質の乱用状態を考えると、新たなスーパー細菌は10~20年以内に次々と現れる可能性があります。
 
これに対し専門家は、いったんこれが広まれば、中国は恐らくスーパー細菌の深刻な被害国になると予測。
 
 
NDM-1は2007年に発見され、2008年1月に特定されました。正式名称は、ニューデリー・メタロベータラクタマーゼといい、その頭文字を取って、NDM-1といいます。
 
新唐人がお伝えしました。
 
上のリンクをクリックすると、このニュースの中国語版が見られます。

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