【新唐人2013年12月2日付ニュース】中国人民銀行が連続展開したリバースレポ供給額が590億元に達しました。業界関係者は、大規模なリバースレポが市場の変動を安定させ、市場にパニックが広がることを防ぐとみているようです。一方、専門家は中国の金融危機はすぐそこに来ていると指摘。インフレ率が上昇する中で、リバースレポを続ければインフレ率は上昇し続け、民衆からの不満が噴出し、万事休すになると警告しています。
11月19日、中国人民銀行は期間7日のリバースレポを実施し、350億元を供給。その2日後、期間14日のリバースレポで短期金融市場に330億元を供給。その前の週の資金吸収90億元を差し引くと、人民銀行は前週の3日間で、公開市場操作(オペレーション)を通じて590億元の資金を供給したことになります。
11月の第4週、インターバンク短期金融市場は急速な上昇を示しました。7日物レポ金利を例に挙げると、利率は火曜の3.5989%から、金曜には5.4570%となりました。
債券ファンドの資金面にも緊張が現れました。今年10月以来、10年国債利回りの収益率は急速に上昇し、11月18日の収益率は4.6619%と、2005年3月以来の新記録となりました。20日には、4.7%に上昇し、再び記録を更新しました。
中国金融コンサルタント 鄭さん
「銀行、金融市場、民間企業などは皆資金不足です。それなのに政府は繁栄している場面を造り出し、外資と民間資本を吸収することを考えています」
中国興業銀行チーフエコノミスト・魯政委氏は「財経網」の記者に対し、持続的な回復への反転はまだやってこないだろうとの見方を述べました。
11月9日、中国国家統計局の発表した10月の経済データによると、消費者物価指数(CPI)は再度警戒線を破り、8ヶ月ぶりの高い伸びとなりました。中でも生鮮野菜の価格は31.5%と大幅に上昇しており、インフレが深刻です。
米サウスカロライナ大学 謝田教授
「資金不足と不良債権の増加は、銀行破綻の危険性をますます大きくします。他に方法がないので、リバースレポを続けます。インフレ率上昇にも拍車がかかるでしょう。これほどインフレが深刻なのに、リバースレポするのは自殺行為です」
現在、元高・ドル安は一方的なものであり、過去8年において人民元の対ドルレート仲値(なかね)は34%上昇しており、人民元は名目上と実効為替相場の中ではそれぞれ29%と38%上昇しています。
人民元が1%上昇するごとに綿、毛織物、アパレル産業の利益率が、それぞれ3.19%、2.27%、6.18%減少することが研究により明らかになりました。人民元の上昇は輸出企業の契約と利益に大きなマイナス影響をもたらしています。人民元の急速な上昇は輸出利益を更に圧縮させ、中小企業の輸出が大きなダメージを受けています。
中国のエコノミストで投資顧問の鄭志遥氏は新唐人に対し、過去数年、政府の干渉が多く、経済と貨幣のリスクが徐々に強まってきているとコメントしています。
エコノミスト・投資顧問 鄭志遥氏
「株式市場は国家の実体経済がわかるバロメーターのようなものです。しかし中国の株式市場は、全て概念株、ニュースや政策に依存しています。過剰生産が深刻で、例えば鉄鉱、赤字なほど生産し、生産するほど赤字になります。生産しないとすぐ破産します。その結果 銀行や企業に多くの問題が現れるのです」
17日、中国中央銀行研究局の首席研究員・鄒平座(すうへいざ)氏は、中国の金融構造は悪化を続け、三重の危機が中国に迫っていると警告しました。鄒氏はまた、中国の金融リスクの可能性は総額に現れるのではなく、最大のリスクは構造と体制の中に潜んでいると指摘しました。
エコノミスト・投資顧問 鄭志遥氏
「経済バブルと不動産バブル、隠れた経済危機はすぐそこまで来ています。腐敗は基盤にまで影響しています。環境汚染、空気、飲み水、土壌も全て悪化しました。どうしますか、もう行き詰まっています」
11月20日、中央財経指導グループ弁公室の巡視員・方星海氏は先日、“財経年次総会2014”に出席した際、現在金融市場に存在する4大リスクが、中小銀行や金融機構の破産を招く可能性があると指摘。この4大リスクは、流動性、利率、資産品質および信託管理、委託貸し付けとシャドーバンキングの商品に現れ、この様な危機が銀行に降りかかれば、最終的に中小銀行の破産を引き起こす可能性があると考えられます。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/11/25/atext1011303.html(中国語)
(翻訳/赤平 ナレーター/村上 映像編集/工)