HOME > ニュースページ > 安全保障&軍事 > 詳細

【禁聞】識別圏設定の狙いは国内統制にあり?

2013年12月09日

【新唐人2013年12月9日付ニュース】中国当局が東シナ海に設定した防空識別圏は、国際社会の関心を呼んでいます。アメリカのバイデン副大統領は先日の訪中で、中国当局はこの問題で自制するべきだと述べました。一方専門家は、今回の中国当局の動きは、「主権」のためではなく、愛国心をかきたてることで、社会問題に対する国民の不満をそらすのが狙いだと指摘します。

 

12月5日、バイデン副大統領は北京駐在のアメリカ人ビジネスマンに対するスピーチで、「習近平国家主席との会談で識別圏問題を取り上げたが、偶発的な衝突を避けるために、中国当局は情勢を緊迫させるような行動を慎むべきだ」と述べました。

 

バイデン副大統領は5時間以上に及ぶ首脳会談で、防空識別圏に関するアメリカの立場と期待を伝えました。一方、中国外務省によると、習国家主席は「識別圏の設置は国際法にのっとっている」と応えたそうです。

 

この問題における米中の溝が埋まらないまま、アメリカ、韓国、イギリスの3カ国の海軍は合同演習を行いました。

 

韓国メディアの報道によると、12月8日と9日、韓国南部の海域で、韓国のイージス艦やアメリカの巡洋艦、およびイギリスの駆逐艦が参加した合同演習が行われました。

 

河北人民ラジオ局元編集 朱欣欣

「中国側が識別圏を設置してから周辺国は反発し、対抗措置を取っています。軍事演習は識別圏に対するものでしょう」

 

11月23日、中国は突然、尖閣諸島を含む東シナ海の上空に防空識別圏を設置し、圏内を飛行する場合、事前の通知がなければ、防御的な措置を取ると警告しました。

 

これに周辺国は猛反発しました。11月26日から、アメリカのB52爆撃機や自衛隊機などが次々と圏内を飛行しました。

 

それらの航空機に対し、中国は緊急措置を取りませんでした。27日、中国国防省は「B52爆撃機に対して、全過程を監視し、戦闘機の種類を識別した」と述べ、「中国には監視能力がある」と誇示したものの、世論の嘲笑を買いました。

 

全世界自由情報運動 創立者 張新宇

「軍隊の腐敗は地方政府よりずっと深刻です。防空識別圏の設定は明らかに軍隊の挑発行為でしょう。有事の事態になれば、軍の予算が増えて、彼らは私腹を肥やせます」

 

その一方で、「中国当局は社会問題に対する国民の不満をそらすことが狙いだ」との分析もあります。

 

雑誌『中国事務』 伍凡編集長

「情勢を緊迫させれば、国内を制御しやすくなります。経済が下降気味の今、人々の目を外に向けさせるのが当局の狙いです。彼らの常套手段です。過激な民族主義者に支持を訴えています」

 

11月26日、中国初の空母「遼寧」が南シナ海へ向かいましたが、領土問題のある海域は通らず、台湾海峡のルートを選びました。

 

中国「権利運動」責任者 胡軍さん

「国内では当局が表舞台から去り、権利を民に戻すよう訴える声が高まっています。特に官民の対立は激化しており、経済問題も未解決です。当局は腐敗も解決できないので、人々の不満をそらすため、仮想敵を作りました」

 

胡さんは、「危機に直面すると、関心を外に向けさせるのは中国当局の常套手段だ」と指摘します。「仮想敵を作ることで、民族主義や愛国心をあおり、民心を得ることで、政権維持を企んでいる」と結びました。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/12/07/atext1019623.html(中国語)

(翻訳/河合 ナレーター/村上 映像編集/工)

トップページへ