【新唐人2010年12月6日付ニュース】12月1日は、世界エイズデーです。しかし、中国の深刻なエイズの実情は、あまり関心を集めません。真相が隠されているからだといいます。これに、中国のエイズ予防の第一人者、高耀潔(こうようけつ)医師は深く嘆きました。
中国のエイズ予防の第一人者、それは高耀潔医師です。10数年来、中国の各地方を回り、貧しい農民が売血で収入を得ている事実に遭遇します。多くの人が採血と輸血をする中、エイズの感染が中国の農村で急速に広まりました。
エイズ感染の被害者
「家も家族も失いました。もう生きていけません」
作家の北明(ほくめい)さんは、高医師が目にしたエピソードを語ってくれました。
作家 北明
「高教授が玄関を開けると、目の前にはわら縄がありました。片方が家の梁にかかり、もう片方は若い婦人の首にかかっていました。婦人は息絶えていました。婦人の足元には声を発している2歳余りの男児が、両手で婦人のかかとを抱いて、“下りて”と叫んでいました」
血液を通じた中国のエイズ汚染を知った高医師は、エイズの予防知識を紹介する本を自費で、30万冊印刷。農村に無料で送りました。また、様々な方法でエイズ患者を助けています。
エイズ予防の第一人者 高耀潔医師
「印刷など合わせて100万元ほどかかりました」
自腹を切った高医師ですが、これまで他人の寄付を受け取ったことはありません。獲得した賞金はすべて患者のために使ったそうです。
エイズ予防の第一人者 高耀潔医師
「寄付を望む方もいますが、私は受け取りません。印刷ですが、香港の張さん夫婦は2万元を寄付すると頑なでした。これは印刷費にしました。印刷費用であって、私は受け取っていません。ですから、経済面で政府は私の問題を見つけられません。私個人のものはすべて帳簿につけてあります」
経済面で問題がなくても、当局は理由をかこつけて高医師の自由を奪いました。
エイズ予防の第一人者 高耀潔医師
「今年、私は苦しみ抜きました。電話、パソコン、すべての通信を監視されました。ひどかったのは2007年、軟禁期間中も様々な手段で・・・」
当局の弾圧は想像を絶するものがあると述べます。
エイズ予防の第一人者 高耀潔医師
「私はエイズ患者ではなく、患者家族でもありません。エイズと無関係ですが、傍観できずに立ち上がりました。政府に金を望んだこともないのに、当局の弾圧はひどすぎます」
高医師によると、中国でのエイズ感染は主に売血によるもので、エイズ感染者の数は1000万人に上ると見られます。これは世界の感染者の3分の1に及びます。しかし当局は、中国の感染者は数十万人に過ぎず、性感染や薬物注射による感染が主だと発表。高医師は、世界をだましていると訴えます。
エイズデーを迎えて、国際社会の関心がエイズに向かうなか、中国のエイズ問題はなかなか注目されません。真相が当局によって隠されているからです。国連さえだまされていると高医師はいいます。
エイズ予防の第一人者 高耀潔医師
「中国は嘘が上手です。国連さえ騙しています。中国はエイズの低発生国で、援助も厚いなど全くの嘘です。あの子供たちを見てください」
中国のエイズ患者の苦境を思うと、高医師は心が痛むそうです。
エイズ予防の第一人者 高耀潔医師
「私は1人の中国人として、つらいです。非常につらいです」
2009年、高医師は当局の監視と弾圧を逃れるため、故郷を離れアメリカにわたりました。そして、中国のエイズの実情を暴く本を2冊出版しました。
エイズ予防の第一人者 高耀潔医師
「私の願いはエイズの真相を知ってもらうことです」
新唐人テレビがお伝えしました。