【新唐人2013年12月5日付ニュース】12月1日は世界エイズデーだったため、その約1週間前から、中国各地のエイズウイルス感染者、約200人が北京に集まり、陳情を始めました。しかし数日経っても、彼らと対話する官僚は1人も現れませんでした。輸血感染の被害者である彼らは、長年、政府に賠償を求めていますが、政府はいまだ責任を認めていません。
中国健康研究所の陳前所長によると、陳情者たちは元々、副作用が少なく効果も高い「ラミブジン」という外国の薬を飲んでいたものの、政府は出費を減らすため、副作用が強く、効果も低い中国産の薬に換えました。
河南省のエイズ感染者 李要峰さん
「国産薬は副作用が強く、服用後、変形した人も多くいます。安いと言っても、1つ0.1元 、安い程度です。服用すると腹や首が腫れて、下半身が痩せ細ります」
エイズ感染者が設立した「エイズ反差別合唱団」の歌声と共に、陳情者100名あまりが民政省を出発し、王府井(ワンフーチン)に向かって歩き、支援を訴えました。すると数分後、パトカー数台がやってきて彼らをバスに押し込めました。
河南省のエイズ感染者、李さんは警察に捕まえられた後、丸1日勾留されてから、河南省に連れ戻されました。
河南省鄭州市の市民、孫亜さんの息子は、11年前、輸血でエイズに感染しました。孫さんは、政府のエイズのイベントは単なるショーに過ぎず、感染者の声には耳も貸さないと嘆きます。
HIV感染者の親 孫亜さん
「政府はきれいごとで真実を隠しています。血液感染も売血組織のせいにしています。政府には責任がないようですが、病院や血液製剤工場は国が直接管理しています。それらが長年売血組織から原料を買っているなど、筋が通りますか?」
2002年、孫さんは口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)の息子に、北京大学口腔医院で手術を受けさせました。手術の前に、250ミリリットルの濃縮血小板を輸血された息子は1年後、エイズへの感染が確認されました。孫さんは病院を訴えたものの、病院側は責任を認めません。
HIV感染者の親 孫亜さん
「裁判で病院は偽の証拠を出しました。血液検査はしたと言うのです。でも検査の報告書はパソコンで印刷した物でした。原本を要求したものの、病院は拒みました。私と妻は非感染者で、子供は当時6歳、術前検査で異常はなく、術後1年後に感染が分かったんです」
孫さんによると、1997年、国連は中国に対し、「輸血によるエイズ感染者は将来、1000万人に達するだろうが、もし有効な手を打てば、150万人にまで減らせる」と忠告しました。しかし当局は2001年まで、深刻な血液感染を認めず、その3年後、ようやく全国調査を始めました。ただ調査対象は献血者のみで、献血を受けた人は調べていません。
HIV感染者の親 孫亜さん
「国は隠し切れなくなって、仕方なく認めたのです。1997年に国連に指摘され、2001年に認め、2004年からの調査により30%以上が輸血感染だと判明、国には責任があります。2004年以降 政府は売血感染が減り、性的感染が増えたと言いふらしています」
つまり「血液感染はすでに政府が制御したため、新たな感染者は皆、性的感染だ」というのです。しかし、孫さんによると、中国には以前から、性病の検査所があったため、風俗業の従事者のエイズ感染率は非常に低いそうです。風俗業の関係者だけで、これほどエイズが広まるのはおかしいと孫さんは言います。
1990年代、河南省では少なくとも30万人が売血でエイズに感染し、10万人が死亡したとされますが、当局はいまだに責任を認めず、賠償もしていません。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2013/12/03/atext1016445.html(中国語)
(翻訳/河合 ナレーター/佐藤 映像編集/工)