【新唐人2013年12月27日付ニュース】先日、新疆ウイグル自治区カシュガル地区コナシャハル県(疏附県)で発生した衝突事件では、ウイグル人14人を含む16人が死亡。中国当局は事件を「テロ」と断定しました。一方、「世界ウイグル会議」は24日、衝突発生時、ウイグル人が結婚式を挙げていて、死亡した16人のうち、6人は女性だと発表しました。警察が女性のベールを取ろうとしたことが原因で衝突が発生したとのことです。
中国当局によって「テロ事件」と断定されたこの衝突事件は、12月15日に発生しました。
新疆の政府系メディア「天山網」は、新疆カシュガル地区のコナシャハル県(疏附県)で15日深夜、警察が犯罪容疑者捜索の時に暴徒に襲撃されたと報道。暴徒らは警官に爆発物を投げつけ、刃物で襲撃し、警官2人が死亡。暴徒14人はその場で射殺され、他に2人が逮捕されたと報じました。
16日、中国外務省の華春瑩報道官は記者会見で、「テロリストのグループは爆発物で警察を襲撃した」と述べただけで、いわゆる「テロリスト」の身元には言及しませんでした。17日、「天山網」は、これは組織的かつ計画的なテロ事件であると報じました。
一方、フランスの国際放送局RFIによると、本部をドイツに置く「世界ウイグル会議」が24日、電子メールによる公告を発表し、今回の衝突事件で死亡した16人のうち、6人は女性で、事件当時、ウイグル人カップルの結婚式が行われていたことを明かしました。
アメリカのラジオ・フリー・アジアも先日、地元住民の話を引用して、警察がウイグル人女性のベールをまくろうとしたことが引き金となり、衝突に発展したと報道しました。
この前、「世界ウイグル会議」の報道官はラジオ・フリー・アジアの取材を受けた際、衝突は武装した警察がウイグル人民家に押し入り、暴力的な捜査を行ったのが原因だと述べました。射殺された人の中には未成年者2人も含まれていたそうです。また、中国当局の新疆政策は、殺して口封じをしてから一方的に罪を着せることだと述べました。
時事評論家 李一平氏
「中共は庶民に対し、虚言と暴力で統治しています。漢族地区だけでなく、少数民族地区、特に新疆とチベットではさらにひどいです」
情報によると、新疆カシュガル地区のマラルベシ県(巴楚県)でも11月16日、暴力事件が発生しました。政府系の「天山網」は、地元警察の話として、16日午後、暴徒9人が刃物を持って地元派出所を襲撃し、警官2人が死亡、2人が負傷。暴徒はその場で射殺されたと報道しました。
「世界ウイグル会議」の報道官は、当局によって暴徒と呼ばれている人々は、実は政府の政策に不満を持って抗議に行ったウイグル人であり、抗議するウイグル人に対し、警察がスタンガンで殴打したうえ、ウイグル人男性を射殺したことが引き金となり、衝突に発展したと述べます。当局は抗議者を射殺したほか、30数人を拘束しました。
近年、新疆では暴力事件が頻発し、今年は特に多発した1年でした。
10月28日、ウイグル人男性が母親と妻を車に乗せたまま、天安門広場に突入し、爆発。5人が死亡し40人が負傷しました。中国当局は国外の新疆独立分子によるテロ事件であると断定しましたが、国際社会の非難を浴びています。
「世界ウイグル会議」の報道官は台湾「中央社」の取材の際、天安門車突入事件発生後、当局はウイグル人に対する抑圧をさらに強化し、多くのウイグル人は我慢の限界に達しており、いかなる挑発も新たな衝突を招きかねないと示しました。
時事評論家 李一平氏
「中共は憎しみの種をすでに埋め込みました。この憎しみをどうしたら解消できるのでしょうか。新疆に住む漢族の人々が周囲の少数民族の人々と交流することはできないのでしょうか。中共のように、少数民族との交流を断絶し、彼らを見下し、侮辱するデマを流すなどではなく」
10月31日、スイスの新聞「ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング」は署名文章を掲載し、当局の新疆の暴力事件に対する解決策は、漢族の移住と開発を推進し、ウイグル人への弾圧を強化することだけだと指摘。しかし、当局のこれらの措置は、新疆の情勢をさらに激化させていると指摘しています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2013/12/26/atext1031166.html (中国語)
(翻訳/坂本 ナレーター/村上 映像編集/工)