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何清漣 “自主創新”を斬る――技術を盗んでも発展は望めない

2010年12月10日

【新唐人日本2010年12月11日付ニュース】中国の産業政策に詳しい、ジェームス・マクレガー氏は、中国のいわゆる“自主創新”政策を非難。経済学者の何清漣さんも、中国の知的財産権の保護の遅れを指摘。これは、中国における外資および中国企業の発展に打撃を与えると述べました。 

今年に入ってから、中国政府は中国企業からの購入を優先する“自主創新”政策を推進。結果、外資の中国への投資環境が悪化しました。
 
ビジネスのコンサルタント会社、APCOワールドワイドのマクレガー氏は、当局のいわゆる“自主創新”とは、実際のところ、外国の進んだ技術を奪うほか、中国企業への優遇政策を進めることで、外国企業の技術や製品の市場参入を妨げると非難。
 
経済学者の何清漣さんも、当局の政策は外資にとって非常に不利だと指摘。
 
経済学者 何清漣さん
「今年3月から新たな条例が出ました。外資は中国で中国と共同出資すること。中国で開発した新技術は中国側の従業員が株の権利を持つ。彼らは株主なのでその技術を開放するかを決められる。これは外資には非常に不利です」
 
中国当局はこのような方法で、外資に新たな技術の提供を迫ります。これは、独自に技術を開発する力が中国にかけているからだと指摘。
 
企業の核となる競争力は、研究開発のレベルに現れます。中国企業の研究開発費は、売上高のわずか0.39%。ハイテク企業であっても0.6%に過ぎません。しかし国際的な競争力のある企業は、売上高の5%を投じるそうです。
 
一方、中国企業は先端技術を吸収するのに、プロジェクト費用の7%しか使いません。しかし日本や韓国などのこの費用は、プロジェクト誘致費用の3倍から10倍に上ります。経済発展には3段階があります。技術の導入、消化吸収、そして自主開発。中国企業は、技術の導入と消化吸収の段階で失敗しているのです。
 
中国企業が研究開発に長期的な視野をもてない点について、自動車業界に詳しい、羅錦陵
氏は、研究開発には金と人、時間が要るほか、リスクもあるからだと指摘。2年後に結果が出たとしても、その時には自分が退いているかもしれないといいます。
また中国企業の多くは、今ある製品をもっと安くして、市場のシェアや利益を増やすことに重点を置き、新製品の開発には熱心ではないといいます。
 
何清漣さんは、中国の知的所有権の保護の遅れは中国企業にとっても、外資にとっても大変不利になると指摘。ただし、たとえ中国当局が外資の技術を盗んだとしでも、長期的な発展は望めないといいます。
 
経済学者 何清漣さん
「知的財産権を保護しなければ、その知的財産のための巨額投資や精力が泡になるのと同じです。ならば開発の情熱はなくなります。当局が技術を盗み取れば、一時的には国際的レベルに達しますが、続けて開発する能力がないので、外国が発展し続けても、中国はその技術にとどまり続けます。その技術が淘汰されるまで中国の経済モデルの転換は不可能になります」
 
アメリカ商務省のロック長官はかつて、知的財産権の侵害に対して、中国は刑事罰が軽すぎると批判。また、当局のいわゆる“自主創新”政策は、外資の直接投資や輸入を制限して、結果的に中国の合弁企業が新製品やサービスを開発するのに不利になると述べました。
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