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【禁聞】「2.8億人以上が安全でない水を飲んでいる」

2014年04月23日

【新唐人2014年4月23日】甘粛省蘭州市で起きた水道水汚染事件の後、中国では再び水汚染が注目されています。中国環境保護部が発表した調査結果によると、中国では2億8000万人が、安全でない水を飲んでいます。一方専門家は、中国には水汚染のない所はなく、「問題のある水」を飲んでいる人の数は2億8千万人を遥かに超えていると指摘します。

 

蘭州市の水道水から4月10日、基準値を20倍も上回るベンゼンが検出されました。14日、蘭州市政府は給水の回復を発表しましたが、多くの市民は汚染源とベンゼン含有量が、急激に減少した事に対し疑問を抱いています。

 

中国の「第一財経日報」によると、飲用水源の土地の安全問題が民衆の関心を強く引き付けています。環境保護部が3月14日に公表した情報によると、中国全土では、2億8000万の住民が、安全ではない水を飲用水として使用しており、水源地の水質保護、取水、送水、水処理から、最終的な水の供給に至るまで、各サプライチェーンで水質安全問題が発生しています。

 

北京の清華大学環境学院飲用水安全研究所の張暁建教授は、メディアの取材を受けた際に、「蘭州市の水汚染事故の原因を分析してみると、事故が予想外ではないことに気付く。蘭州の水道水汚染は個別事故ではなく、中国の都市給水に普遍的に存在する問題でもある」とコメントしました。

 

蘭州の汚染事故で問題となった、地元の水道会社「ヴェオリア・ウォーター社」の排水溝は、多くの化学工場に囲まれています。「中国青年報」は一部の専門家が、蘭州のような重化学工場に囲まれた都市は、飲用水の安全問題を避けることが出来ないという見方をしていると伝えています。しかし中国では、およそ81%の化学工場、石油化学プラントが、長江や黄河水域、人口密集地域に位置しています。

 

報道では、中国環境科学院環境安全基地の首席専門家・劉征涛氏の話を引用し、飲用水の安全は水源地、浄水場の処理過程および、パイプライン輸送などと関係があり、水源地の安全リスクが最も高いと伝えています。

 

浙江省杭州市環境保護活動家 陳法慶さん

「中国の飲用水の不安全要素は多く、最大の原因は環境汚染です。中国河川の80%前後が汚染問題をかかえており、主な汚染源は化学工場です」

 

中国では人口の7割近くが、地下水を飲用水としています。専門家の研究によると、工業廃水や生活排水の排出、農薬の使用、ごみ処理場の滲出や、地下石油パイプラインからの漏れなどの原因により、地下水の汚染はますます深刻化しています。

 

北京の民間水利専門家 張峻峰さん

「我々に見えているのは表面的な個別の工業汚染だけです。工業汚染システムではこのような極端な事が現れやすいのです」

 

「しかし 日常生活における農業や農薬による汚染、生活排水による汚染を我々は毎日目にしていますが、見て見ぬ振りをしてきました。水汚染はどこにでもあります」

 

中国の「住宅都市農村建設部」は、数年前に行った調査で、数百都市の配水管網が劣化していることを発見しました。

 

北京の民間水利専門家 張峻峰さん

「1950年代前後から建設し始めたこれらのパイプラインは、長年運行しています。輸送過程で保修問題や、その他の問題もあり、水がパイプの中を流れる過程で一部が汚染されてしまいます。もう一つの要因は、今の給水方式です。基本的には二次給水に属し、浄水場から加圧されて来た後住宅の給水塔へ運ばれます。この給水塔は長時間空気に曝されているので、最大の潜在的な危険と言えるでしょう」

 

第一財経日報の報道によると、近年中国の都市部では、給水における水質問題が続いており、各地で立て続けに停水事件が発生。住民は蛇口を捻った時、「毒」が流れ出てくるのではないかと、心配せざるを得ません。つまり安全な水を飲めない人の数は、2億8千万人を遥かに超えているということを物語っていると、報道は伝えています。

 

北京の民間水利専門家 張峻峰さん

「北京の水道水からは今でも堆積物が出たり、汚染水が出たりします。浄化施設から出る時は合格しているように見えますが、住民の蛇口から出て来るものは指標と差が大きいのです。北京のように管理が厳しいところでさえこんな状態ですから、他の地方ではなおさらです」

 

世界保健機関、WHOの報告によると、中国では毎年汚染された水を飲んで、下痢を起こして死亡する人の数は9万5600人に上っています。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

 

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2014/04/19/atext1103955.html(中国語)

(翻訳/赤平 ナレーター/ 映像編集/田)

 

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