【新唐人2014年5月20日】ある統計データによると、中国での死因の第5位は自殺です。児童・生徒の自殺者の正確なデータはありませんが、最近、国営メディアは、毎年およそ500人の児童・生徒が勉強のストレスなどが原因で自殺していると報道しました。本来、悩みなき年頃の子供たちがなぜ自殺を選んだのでしょうか。
4月初め、江蘇省の13歳の男子生徒は、宿題が終わらなかったため首つり自殺しました。四川省の高校1年の男子生徒も学校の校舎から飛び降り自殺しました。
今年2月末、甘粛省蘭州市では、3日間で3人の中学生が自殺したと報道されました。
国営メディア「中国日報」は「国家衛生部計画委員会」の刊行物の内容を引用し、毎年、約500人の児童・生徒が自殺していると伝えました。
これについて、湖南省の中学教師、羅美華さんは、この社会が点数ばかり重視するため、親は子供にプレッシャーを与えざるを得なくなり、ほかに心の支えのない子供は極端に走ると分析します。
湖南省 新化一中教師 羅美華さん
「親の影響もあります。世論を導く政策もなく、生徒の悩みにも対処できていないので、子供は悩むとすぐ自殺します」
毒ミルクの被害児童の親、蒋亜林さんは、中国の教育システムの問題を指摘します。点数至上主義で、教師がすべてを決めるため、生徒は自分の考えを持てず、柔軟な発想を持てません。
また、成績の良くない子供は学校で差別を受けるため、競争と勉強のプレッシャーで、子供の心は壊れてしまうとも述べました。
毒ミルクの被害児童の親 蒋亜林さん
「今 一人っ子が多く、家族はあまり厳しく叱りません。子供の耐える力も弱めです」
最近、中国当局が発表した「教育白書」によると、自殺した生徒の大多数は、テストのプレッシャーに耐え切れなかったことが原因です。3分の2は、年度の後半のテストの際に起きていました。
「教育白書」によれば、去年のゴールデンウイーク明け、南京では、児童・生徒が自殺する事件が同じ日に2件も起こりました。どちらも宿題を終えていなかったことと関係しています。
去年の初め、南京の「青少年総合サービスカウンター」が900人の児童生徒に調査をしたところ、よく自殺を考える子は4パーセント、時々、自殺を考える子は35パーセントに達しました。
上海の調査結果も深刻です。24.39パーセントの児童生徒は、自殺を考えたことがあり、真剣に考えたことがある子は15.23パーセントに達しました。また、5.85パーセントの子は自殺を計画したことがあり、1.71パーセントの子は自殺未遂の経験がありました。
中国問題専門家の謝選駿さんは、2500年前、孔子が個性に応じた教育を提唱したのに、今なお、その理念が徹底されていないと嘆きます。大学中退のビル・ゲイツ氏がビジネスで大成功したように、テストだけで人材を判断できないとも述べました。
山東大学の元教授、劉因全さんは、アメリカは中国のように点数だけを重視しないと述べます。
山東大学元教授 劉因全さん
「米国の小学校は午後の授業は少なめで、中学校は午後3時で下校です。しかも学校では、音楽、水泳、スポーツ、料理など、実用的な授業も多めです」
劉因全さんは、中国では貧富の格差が激しく、市民は各方面で苦しんでいるため、誰もが子供に将来立身出世してほしいと願い、勉強を強要するのだと分析します。
山東大学元教授 劉因全さん
「米国の子供は完全に保護されています。親に殴られたら、子供は訴えられます。子供が訴えなくても、教師や友達が発見したら、彼らも訴えられます」
「教育白書」には、教育に対する市民の満足度調査の結果もあります。居住している地域の教育に対する満足度は、58.28点に過ぎず、中学入試に関しては、不満足度が74.64パーセントに達しました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2014/05/16/a1109910.html(中国語)
(翻訳/河合 ナレーター/村上 映像編集/工)