【新唐人日本2011年1月17日付ニュース】米中関係の発展はいかに?世界が注目する中、両国首脳の会談が最近、熱い視線を浴びている。中国の胡錦濤国家主席は、米国への公式訪問の前夜、米国メディアの取材を受け、米中間には隔たりが存在すると率直に認めた。このため、今回の胡主席の訪米はより高い関心を呼んでいる。
AFP通信は、 “ウォールストリート・ジャーナル”“ワシントン・ポスト”による胡錦濤主席の文書インタビューの内容を報道。胡主席は、米中間には確かに隔たりと敏感な問題があると認めたものの、それらの隔たりと敏感な問題が何かという仔細は明かさなかった。
“米中は両国関係を発展するにあたり、正しい方向を確保するべきだ。たとえ隔たりがあっても、一種の緩衝地帯を見つけて、敏感な問題に対し、各自の立場をふさわしく調整することが肝心。小さな違いには目をつぶり、大きな一致点を求めて、ようやく米中の長期的な安定した関係が築けるのである”
“通貨については、米ドルが通貨をリードする時代はすでに過ぎ去ったものの、人民元はまだ、国際通貨としての資格を備えておらず、国際通貨になるにはまだまだ時間が必要だ”
“ただし、人民元の切り上げでインフレの抑制を狙うという観点には賛同できない。米国の金融緩和政策にも注文がある”
“米国の通貨政策は、世界の流動性と資本の流動性に重大な影響をもたらす。ドルの流動性は、合理的で安定したレベルに保つべきだ”
人権問題は回避した胡錦濤主席
米中には一連の問題が存在すると報道も指摘。例えば、人民元切り上げ、貿易摩擦、台湾への武器売却、人権問題など。これはダライラマの訪米やネットの自由も含む。ほかにも、朝鮮問題や日中問題といった国際問題も存在する。
ただし、これらの問題があるにしても、米中首脳会談では、一連の貿易協定が結ばれるだろうと報道は予測。
中国外交学院国際問題専門家の蘇浩教授は、両国間に存在する隔たりは長期的な問題であり、短期的に突破口を探し出すのは難しい、両国指導者の会談は主に、問題解決のための良好な雰囲気を作り出すのが目的だと分析した。
米中関係を重視する中国庶民
最近公表されたアンケート結果によると、大陸の庶民のうち、9割以上が米中関係は大切だと回答。この調査は、中国当局の英語メディア“中国日報”および北京零点研究諮問集団が合同で行った“中国人の目に映る米国”というアンケートの結果である。
台湾の中央通信社は、多くの中国人が胡錦濤主席の訪米を注目していると報道。同時に朝鮮半島情勢、台湾問題、および貿易不均衡問題などが米中首脳会談の重点になるはずだと指摘した。また、アンケートによると、中国人の米国への好感度は下がったものの、米国人への印象は肯定的だった。
台湾学者も注目
大陸の中国人だけではなく、台湾の専門家も、今回の胡錦濤主席の訪米、特に台湾への武器売却問題を注目している。これも、米中間の最も敏感な議題の1つである。
ボイス・オブ・アメリカは、台湾中山大学の林文程教授の見方を報道。
“台湾への武器売却は短期間で解決できる問題ではない。ただ中国は一定の抗議をするはずだ。しかも、この問題に必ず触れる。オバマ政権はこの方面では完全な譲歩はしないだろう。ただ必要時には、米国も中国の態度と要求を考慮して、多少の譲歩をすると思う”
オバマ大統領は、胡錦濤主席に対して人権問題を取り上げるのだろうか。林教授は、“民主、人権の分野では、やはり米国には中国へ注文をつけてほしい。中国へ圧力をかけること。これは東アジアそして世界の平和に取ってよいことだ”と結んだ。
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