【新唐人2014年12月17日】中国内モンゴル高等裁判所は15日、18年前に起きた強姦殺人事件で死刑判決を受け、死刑を執行された当時18歳のモンゴル族の少年について、再審で無罪判決を言い渡しました。
12月15日、内モンゴルの高等裁判所は、1996年に強姦殺人の罪で死刑を執行された当時18歳の少年、ホクジルトさんについて、当時の死刑判決は「事実と一致せず、証拠が不十分だった」として、1996年の死刑判決を撤回し、無罪判決を言い渡しました。
18年後にやっと冤罪が晴れたホクジルトさんの両親は息子の墓の前で慟哭(どうこく)しました。内モンゴル公安庁によると、当局はすでに調査チームを結成し、18年前に事件の処理に関わったすべての警察について調査を開始しました。
湖北省の人権派弁護士、張科科(ちょうかか)さんは、近年一部の冤罪事件が再審で無罪になることが稀にあるが、いずれも別の事件で逮捕された真犯人が自供、または証拠不十分で告発されるなどによるものだと述べます。一部の冤罪事件が解決されたとしても、中国の司法に希望が見えたとは言えないと指摘します。
湖北省人権派弁護士 張科科さん
「彼らは自分たちが冤罪を作ったのを知っています。彼らは故意に罪を犯しています。例えば職権の濫用、違法裁判で故意に罪を犯しています。無実の人を起訴して、審判を受けさせており、口述も脅迫や拷問によるものです。拷問なども違法行為です。事件の処理に関与した者の責任を追及すべきです」
1996年4月9日、ホクジルトさんは公衆トイレの中で女性が殺害されているのを発見し、警察に通報。しかし、事件の容疑者とされ、起訴されました。2ヶ月後の6月10日には死刑判決を言い渡され、刑は即日執行されました。当時、当局は凶悪犯罪取り締まりの政治キャンペーンを行っており、事件を処理した関係者は「スピード判決・スピード執行」したとして表彰されました。
しかし2005年になって、別の連続強姦殺人事件で逮捕された趙志紅(ちょうしこう)が、自分がやったと供述し、事件の再審を要求。しかし、再審は8年後になってようやく行われました。
中国では多くの冤罪事件が解決されないままです。例えば、1995年に河北省で起きた強姦殺人事件。犯人として当時21歳の聶樹斌(しょう じゅひん)さんが死刑判決を受けました。処刑から10年後、他の事件で逮捕された容疑者がこの事件と全く同じ事件を犯したと自白しましたが、未だに公正な判決が出されていません。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/12/16/a1161759.html (中国語)
(翻訳/坂本 ナレーター/村上 映像編集/李)