HOME > ニュースページ > 経済 > 詳細

IMF 中国バブル崩壊を警告

2011年04月18日

 

 【新唐人日本2011年4月19日付ニュース】国際通貨基金、IMFは4月11日に発表した「世界経済見通し」で、中国は今バブルを形成しており、最終的にはじけるだろうと予測。専門家も、中国経済は物価が上がりながら経済が停滞する「スタグフレーション」に向かっていると警告します。

 
国際通貨基金は見通しの中で、中国は中期的なリスクに直面していると、めずらしく厳しい口調で警告。中国の貸付と資産のダブルのバブルに懸念を示しました。さらに、中国の今年のインフレ率は政府目標の4%を超えて、5%に達するだろうとも予測。これに対し、インフレの根本的な原因は、過度な通貨の発行と多すぎる貸出だと専門家は指摘します。
 
北京天則経済研究所 茅于軾・理事長:「インフレは数年前からの過度な投資のためです。しかも収益のない事業で損失を出しました。だから中国の投資ルールを改善して、民間投資を促すことです。今の投資は全部 政府のです、これがインフレの原因です」
 
ウォールストリート・ジャーナルによると、コロンビア大学・ビジネススクールのベイム教授は、「中国成長の将来」と題する論文で、大量の貸し付けを成長の原動力とする中国経済は、ブレーキがかかる恐れがあると指摘。
 
ベイム教授の研究によると、中国では、住宅・設備投資、公共投資など、固定資本への投資が急増。GDPに占める割合は、1980年の29%から2010年には42%にまで伸びました。大半は、国有銀行の国営企業への貸出です。これも非効率や腐敗の元凶になっています。
 
さらに、中国のインフレ率は5%に迫っています。温家宝首相も、先月の記者会見で、インフレを虎にたとえ、その制御の難しさを表現しました。
 
中国の週刊誌、「新世紀週刊」は11日、経済学者の謝国忠さんの文章を掲載し、中国のインフレについて警告。インフレを見越した買いだめがしばしば見られるが、これが一般的になった時、社会的危機が爆発するだろうと予測しました。
 
これまで中国当局は、次々と対策を打ち出しているものの、物価と住宅価格の上昇に歯止めがかかりません。謝さんは、政府が企業に対し値上げしないよう圧力をかけても、一時しのぎにすぎないと分析。コストが毎年2割から3割のスピードで伸びるのに、値上げをしないなら、企業は生き残れないといいます。
 
4月5日、中国の中央銀行は0.25%の利上げを実施。それでも、インフレ懸念を取り除くのにはまだまだ足りないと謝さんは強調。資本の効率の低下と金利がインフレに追い付かない状態が続けば、「スタグフレーション」、つまり物価が上がるのに経済が低迷する事態に陥るといいます。結果、金融危機、ひいては社会の混乱も起こる恐れがあります。
 
北京大学経済学院 夏業良・教授:「膨大な人口を抱える中国で経済が停滞し、失業者が増えれば社会の不満も募ります。これこそ当局が恐れることです。社会の混乱が起こるからです」
 
中国内外の環境が厳しさを増す中、中国の経済モデルは、経済を「スタグフレーション」に押し出していると専門家は指摘。最終的には、バブル崩壊と金融危機が起こり、社会の混乱も発生する恐れがあります。そうなれば、中国の政治体制を平和的に移行させることはできなくなるとみられています。
 
新唐人テレビがお伝えしました。
(中国語)