【新唐人2015年10月04日付ニュース】
先日、中国政府が途上国援助の新計画を発表しましたが、外界から「貧乏人の見栄っ張り」と指摘されました。9月28日、中国官製メディアが次々と途上国支援の重要性を説明する文章を発表しました。しかし、自国民の貧困問題が未解決な状況で、他国への支援に対し評論家から指摘が相次いでいます。
9月26日、習近平(しゅう きんぺい)国家主席は国連サミットで、後発開発途上国を対象に、年末に返済期限を迎える政府間無利子融資の未返済分を債務免除とする方針を表明しました。また、2400億円を拠出して、「南南協力援助基金」を設立し、今後5年間で途上国向けに600のプロジェクトを支援することも表明しました。
習近平主席はさらに、後発開発途上国に対し2030年までに約1兆4400億円の投資を目指すほか、世界保健機関に2億4000万円を寄付する準備があると発表しました。
他国への追加支援を宣言したことにより中国当局は世論の強い批判を受けています。ネットユーザーらは、自国の貧困を棚におき他国への債務免除や無償支援の提供は「貧乏人の見栄っ張り」であると批判しています。
これに対し官製メディアの『人民日報』は、「債務免除は大国がよく行う事であり、中国も海外支援をする事で中国企業の進出や、市場開拓を有利に運び、中国は決して“金をどぶに捨てる”のではない」と反論しています。
中国法学専門家 趙遠明さん
「米国のような西側大国の債務免除は、国民の生活水準が高いからするのです。医療保障、生活保障などが、正常に機能していて、お金を出す余裕があります。返済に困難をきたせば免除が可能ですが、中国では医療保障等は整備されておらず、人々の生活が非常に苦しいのに、援助債務を免除するのは間違っているでしょう」
NYタイムズ紙「チャイナ・ファクター」の報道では、中国は海外支援の大見得をきるが、中国人の生活は2億人以上がいまだに国際貧困ライン以下だと、指摘しています。
米国在住の元歴史学者 劉因全教授
「中国の一人あたりの平均収入から見れば、やはり途上国でしょう。中国は裕福なふりをすべきではありません。多くの国民の生活は貧困ライン以下です。それは貧富の差が激しいためです。やはり中国には貧困層の人が多いです」
現在、中国の多くの国民は非常に苦しい生活を送っています。年老いた農民は現地の役人に農地を取り上げられ無一文になり放置されました。
また、中国当局に生活費をピンハネされ、苦しい生活を送る数百万人の退役軍人の多くは 路上生活を送り、残飯を漁りながら生きています。『中国青年報』によると、これらの老人の自殺率は6割を占め、主な原因は貧困であると公表しました。
9月28日、『環球時報』は社説を通じて「国際社会で存在感を示すためにも海外支援を惜しんではならない。メリットは多くの場合公表できないが、やらなければ深刻なマイナス影響を招く」と伝えています。
法学専門家 趙遠明さん
「『環球時報』は実は国民をごまかしています。どんなメリットがあるのか言えないと言い訳をしていますが、メリットがあれば、支援ではなく商売になるからです」
歴史学者 劉因全教授
「『環球時報』の言う海外援助のメリットは、主に政治方面からの考えで、ひとつは台湾との国際市場での競争。2つ目は中国が貧困国に恩を売って、米国に対抗するときの支持を貰うことです。毛沢東時代から反米は外交の主軸であり、第3世界の国々を懐柔するのは、反米の統一戦線を作るためです」
中国共産党は国際的な支持を獲得するため、毛沢東(もう たくとう)時代から金銭外交を展開し“同盟”を集めました。
1959年からのいわゆる「三年大飢饉」で、中国共産党は数千万人の農民の食糧不足の現状を無視し、ソ連や東欧諸国に向け食糧を安く輸出していました。この食料が国内の飢饉救済に使われていれば、中国で4400万人もの人が餓死することはなかったはずです。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2015/09/30/a1226719.html (中国語)
(翻訳/赤平 ナレーター/水田 映像編集/李)