【新唐人2016年2月6日付ニュース】
人民元の為替レートの急落により、企業の大規模資金移転の動きが民間に広がり、アリのようにコツコツと財産を移転しています。また、国際投機家の元ショートに対して、中央銀行の外貨準備を使用し、中国の外貨準備の急速な減少をもたらす懸念を引き起こしました。専門家によると、中国当局の過去30年の改革で、巨額の外貨準備と引き換えに、巨大な赤字のリスクがあることがわかりました。
外貨準備高は外貨準備と同じで、国の貨幣管理部門によって保管され、いつでも外貨建資産に変えることができます。
中国の外貨準備は、一昨年の約 4兆米ドルから、昨年の 3.33兆米ドルまで落ちました。中国の外貨源は、貿易黒字、外国からの投資と純外国資本の主に3つです。
北京大学インターネット金融シンクタンク理事長范棣(はん り)氏の計算では、昨年6月まで、対外純投資と外国資本は 2.29兆米ドルで、国内外資系企業の輸出バランスの貿易黒字1.1兆米ドルを足して、中国3.69兆米ドルの外貨準備に、少なくとも 3.39兆米ドルは外国資本が占めていました。
言い換えれば、少なくとも92%の外貨準備高は、外国人投資家に属します。中国の対外債務額は 、1.67兆米ドルに達しました。もし、外国投資が全部撤回され、すべての対外債務を返した場合、中国の外貨準備高は1.3兆米ドルのマイナスになると范棣氏は考えています。
また、昨年8月、人民元が急速に切り下げられ、これに対応するため、中国中央銀行は米国の国債を売却しなければなりませんでした。このことは、中国の外貨準備不足の疑いをもたらしました。特に、バスケット入りのニュースがあった12月には、国内の外国為替市場のニーズを満たすため約108億米ドルを投入し、1か月で米国債を記録的に 売却しました。
米国在住の経済学者何清涟氏は、「中央銀行には米ドルの現金が不足している。中国の数兆ドルの外貨準備が名目資産の可能性があり、政府が、米国債、外国投資、対外援助などで使い果たし、外貨買いに制限しなかったら、中央銀行が倒産しかねない」と話しています。
米国の『ブルームバーグ』によると、中国は、3兆米ドルの外貨準備があっても、それほど強力ではないことが分かるようになりました。
中国の金融投資専門家鄭氏
「人民元への試練が始まったばかりだと思う、人民元の上昇状況を経て国内の経済刺激策で生産能力がもたらされた、過去のようにはもうならない。今日、我々の実体経済、民間経済、産業資本、国家資本は冬を迎えています」
中国の外貨準備高は世界1位で、政府が外貨準備を使い、適切な投資ができますが、外貨管理局は為替のために十分なドルを確保しなければなりません。そうでなければ、人民元の信用が崩壊します。
中国の金融コメンテーター劉兆輝(りゅう ちょうき)氏は、「強力な外貨準備は売り越しも大きくなる。政府は、為替レートの安定を維持する際に、売り越しに大きな収益機会を与えた」と指摘しました。
「人民元が上昇のとき、外国投資が利益を求めて参入し、人民元が切り下げになると、売りに走り、最終的に人民元の為替レートの崩壊につながり、人民元が難しい立場に追い込まれる」と経済学者が言います。
中国の金融シンクタンクの研究員巩勝利氏
「人民元と外貨に互換性がないので、香港ドルを人民元に換えるとき、まず香港ドルが米ドルと繋がり、それから人民元と交換できる。しかも、人民元は人民銀行のシステムでしか操作できず、貨幣の交換レートは自由度がありません」
劉兆輝氏は、「柔軟性のない為替レートにより、移転した資本がより高い価格で現金に変られる」と言います。
范棣氏は、「改革開放以来、中国の人々は、30年にわたって懸命に働いた。数10億の安い労働力が搾取され、大量の資源が消費・浪費され、深刻な環境汚染など莫大な社会的代償を払い、結局、名目上の巨額外貨準備しかなく、本当の富はなかった」と嘆いています。
中国の金融投資専門家鄭氏は、「国内外の圧力は良いことかもしれない。これで、北京が重い腰を動かし、政治改革に踏み切らないと生きる道がない、と考える可能性がある」と話しています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/01/31/a1249966.html (中国語)
(翻訳/小松 ナレーター/藤坂 映像編集/田)