【新唐人2014年21日】
パナマ文書の流出が波紋を広げた。アイスランドのグンロイグソン首相が辞任、イギリスキャメロン首相が野党から退陣を求められ、ロシアプーチン大統領が窮地に追い込まれている。中でも、最も注目されているのは中国共産党の高官らである。
今回の流出ファイルに中共の9名の元および現役の高官の親戚がリストに載っている。特に目を引くのは中国国家主席の習近平氏である。しかし、暴露された内容をよく見てみると、2014年6月に「ニューヨークタイムズ」の披露した内容とあまり変わりがない。ひいては2012年10月にブルームバーグ社がとっくにそれと関連した内容を披露していた。ニューヨークタイムズの報道によると、2012年に習近平のトップ就任後に政敵からの攻撃を避けるため、習近平が姉夫婦に、10社以上あった企業投資から引き上げるよう説得したという。去年、大連萬達集団の王建林がハーバード大学で講演した際に、姉夫婦が習近平のために、上場する2か月前に低価格で所有していた萬達の株を売ってしまい、大きな損失を蒙ったとニューヨークタイムズの報道を明かした。即ち、今回披露した習近平に関する情報は新聞とは言えず、旧聞である。とはいえ、2012年と2014年の暴露があまり反響を引き起こさなかったのに対して、今回の暴露は習近平に対してかなり大きな殺傷力を持つ。なぜならリストに載っている大物政治家と各界の著名人があまりにも多すぎるからである。これほど大勢の大物脇役の存在が、より主役を際立たせた。もし習近平が今回の事件の主役であるならば、この文書を提供する者に江沢民派の影がどこかに潜んでいるだろう。
まず江沢民派が資料を入手する可能性が十分高い。どんな会社であれ中国で事務所を開設する以上は、会社の秘密は中共のコントロール下に置かれるようになる。流出したパナマの法律事務所モサック・フォンセカは中国に10ヶ所の事務所を持ち、中国からの業務は会社全業務の約1/3を占める。会社情報が何らかのルートで江沢民派に流れ込んだと考えられる。また、今回流出したファイルに中国の第一汚職者の江沢民と彼の家族の情報が一切なかった。これは非常に不自然な点である。江沢民家族は過去20年間あらゆる手段を用いて中国の国有資産を個人資産にし、しかもこれらの財産を中国本土でなく、海外に移転した。タックスヘイブンを利用しないわけがない。
このほかに今回の流出は江沢民派の三人(曾慶紅、劉雲山と張高麗)もリストに載っていることから欺瞞性を高めている。三人の名前が載っているものの、詳しい情報が披露されていない。一方、習近平の旧聞が詳しく披露されている。三人の情報が披露されたことで、今回の事件は江沢民派と関係ないように見せかけると同時に、習近平を三人の悪名高い高官と一緒にバンドルし、習のイメージをダウンさせると同時に、中共の上層部が汚職と横領においてみんな一緒であることを世に伝えたがる。
また、情報の提供者はしっかりと情報を選んで提供していると思われる。タックスヘイブンを利用した政治家は披露された人物に限らない。プーチンが選ばれた理由は過去2年間、習近平に全面的に協力したからで、キャメロンが選ばれた理由は習近平が提唱したAIIBプロジェクトに率先加入表明をしたからと考えられる。もし今回の事件で二人を失脚させることに成功したら、国際社会において習近平がますます孤立し、一石二鳥だ。
また、中国国内で悪名高い江沢民派のメディア「環球時報」が今回の演出にも協力した。4月5日に「パナマ文書を出した背後に大きな力が働いており、このようなものを暴露して一番得をするのはアメリカだ」という評論を出した。環球時報の行為は、中国国内でパナマ文書が暴露した習近平のスキャンダルがまさしく事実であると言いたい。なぜなら環球時報の名声があまりにも悪すぎるため、今回の事件をアメリカのせいにすればするほど国民が事件の真実性をより信じるようになるからである。環球時報のやり方は習近平を弁護するように見えるが、実は習近平を陥れようとしている。中国外交部のスポークスマンは外国の記者の質問にパナマ文書が暴露した中国高官の内容は雲をつかむような話、コメントに値しないと答えた。これも公然とうそをつくことで、同様に国際社会から習近平への反感を招く。習近平の国際イメージをダウンさせようとしている。
去年10月以降、習近平が虎叩きのリズムを緩め、これは江沢民派に一縷の反撃の希望を与えた。その後、江沢民派は軍内の規則を利用し、劉源を軍から追い出し、北朝鮮の核実験やミサイル発射などを利用して極東アジアの政局を攪乱し、日本とアメリカを刺激して習近平へ圧力をかける。任志強事件を利用して習近平の退陣を求めたなどなどである。最近流出したパナマ文書もその反撃の一環と見られる。現在江沢民派が反撃に利用できるのは共産党制度のみである。共産党制度が解体しない限り、江沢民派にずっと利用されていくだろう。
(翻訳/張陽)