【新唐人2016年06月28日】
中国湖南省の宜鳳高速道路で6月26日午前10時20分(北京時間)、観光バスが衝突事故を起こして炎上し、数十人が死亡する重大な交通死亡事故が発生した。この事故をめぐり、現地政府が実際の死亡者よりも少ない死亡者数を発表した疑いが浮上している。発表された死亡者数は、ネットで広まっている「事故の保険記録」に記載されているよりも6人少ないため、中国のネットでは、現地役人が保身のため実際の死亡者数を隠蔽しているのではとする疑いの声が高まっている。
中国メディアの報道によると今回事故を起こした観光バスのナンバーは湘D943964だという。宜鳳高速道路を走行していたバスは長村東渓大橋付近にさしかかった時、突然制御不能に陥り、中央分離帯に衝突した後炎上した。バスは衡陽から広東方面へ向かう途中で、車内には56人が乗っていた。
同日午後4時、政府系メディアCCTVが中国版ツイッターの微博で、事故による死亡者は35人に上るとし、4人が重傷のため治療を受けていると報道した。警察はバスの運転手の身柄を拘束し、発火原因を調査中だとした。
報道によると、事故を起こしたバス会社の耒陽市駿達旅游客運は衡陽県で唯一の観光バス専門運行会社で、事故を起こした運転手は同社の正社員であるという。
事件発生後、ネットでは運転手が事故当時疲労の状態で運転していたことや、バスのドアも開けずに真っ先にバスから飛び降りて逃げたとする情報が掲載された。
26日午後になると、中国のネットでは事故の保険記録という書類の画像が出回り始めた。この書類には、事故を起こした運転手の名前として劉大輝、事故発生場所を宜鳳高速道路、「衝突による炎上」と事故の様子が記載されており、政府が発表した事故に関する情報と一致している。しかし、死亡者の部分だけは、政府発表よりも6人多い41人と記載されていた。
死者数の不一致をめぐって中国国内のネットでは、現地政府が本当の死亡者数を隠蔽しているのではないかと疑う声が上がっている。事故による死者数が36人を超えると管轄政府の市委書記らが辞職しなければならないため、死亡者数を35人としたのだと指摘する声もある。
また、近年発生した重大事故の死亡者数はほぼ35人か36人であると指摘する声もある。世界でも報道された2014年12月31日に上海市で起こった将棋倒しによる死亡事故も、政府が発表した死亡者数は36人であった。
台湾の柯文哲台北市長事務所のスポークスマンを務めた潘建志医師は2011年、中国国内のネットで沸騰していた「神秘の死亡者35人説」を検証した。潘医師がグーグルで検索したところ、「死者数35人」の報道が非常に多く見つかり、他の事故の死亡者数に比べ2倍も多く、突出していた。こうした検証結果から、中国政府が事故の死亡者数を故意に操作し発表している可能性があると指摘している。
ネットで指摘されている中国国内で最近起きた重大事故のうち死亡者35人のケース:
1993年4月、遼寧省大石橋市で発生した列車とバスの衝突事故。35人死亡。
1995年3月、遼寧省鞍山で発生したショッピングモール火災事故。35人死亡。
1995年11月、山東省の40以上の県市で発生した暴風災害。35人死亡。
1996年6月、雲南省曲靖市で発生した偽酒事件。35人死亡。
1997年5月、深圳市黄田空港航空機事故。35人死亡。
2001年8月、新疆ウイグル自治区新沙干渠橋で客車が用水路に転落した事故。35人死亡。
2003年7月、河北省辛集市の煙草工場爆発事故。35人死亡。
2003年7月、山東省棗庄炭鉱事故。35人死亡。
2003年8月、貴州省三穂県地滑り事故。35人死亡。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/06/27/a1273328.html(中国語)
(翻訳/白白)