【新唐人日本2011年7月31日付ニュース】6月に発生した中国・山東省沖の“渤海湾原油流出事故”。原油の流出は未だに止まらず、渤海湾の数千平方キロメートルの海域が汚染されました。去年、メキシコ湾でも原油漏れ事故が発生しましたが、本日は米中両国政府の処理方法の違いを探って見たいと思います。
24日、中国の“中評社”は環境保護活動家汪永晨さんの話を引用。“6月4日の事故発生から1ヶ月以上経つのに国内メディアの報道はわずかで、重要視されていない。2010年4月にアメリカで発生したメキシコ湾原油漏れ事故と比べると、環境汚染災害に対する米中両国政府の態度の違いが分かる”と報道。
報道はこう指摘します。アメリカではメキシコ湾原油漏れ事故発生後、重大な環境汚染事故としてメディアが大々的に報道。事故の翌日、政府、メディア、環境保護組織はネットなどを通じ、最新情報を随時更新。太平洋の反対側にある中国でさえ、汚染の深刻さが見て取れました。5日後には政府の役人がメキシコ湾に赴き、8日目、オバマ大統領も現場に駆けつけました。それでも大統領および政府は、対応が遅いと国民から批判されました。
一方の中国はどうでしょう。6月上旬に発生した渤海湾原油漏れ事故が、7月5日になってようやく明らかになりました。7月11日、当局は初めて840平方キロメートルの海域が汚染されたと発表。これに対し、中国国家海洋局海洋環境保護司の李暁明司長は、“漏油の原因は複雑で、汚染面積、事故原因の特定には時間がかかる”と釈明しました。
一方、アメリカでは事故発生から8ヵ月後、メディアが新たに追跡報道を行い、汚染事故による賠償金や周辺環境の復旧進度などを取り上げました。それに比べ、中国では渤海湾での原油漏れ事故発生後、ほとんどのメディアが報道を避けています。これに対し、汪さんは首を傾げます。
近年、中国の近海海域の汚染は深刻化の一途を辿っています。“中国の声”の25日の報道によると、今回の原油漏れ事故に限らず、山東省だけでも去年、煙台の近海では3度も赤潮が発生し、最大面積は6平方キロメートルに達しました。黄海の中北部海域では一ヶ月以上スジアオノリが発生。9,800トンを回収したそうです。また、去年煙台市の19の排水口から海に排出された汚水総量は3億2千万トン。更には、水銀などの重金属に汚染された深海魚を食べた市民が中毒を起した事件さえ発生しています。
新唐人テレビがお伝えしました。