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新疆でネット規制強化 携帯アプリまで「テロ指定」【禁聞】

2016年10月27日

【新唐人2016年10月27日】

ネット規制が厳しい中国では、外国のサイトを閲覧したり、フェイスブックやツイッターを利用することは困難なことです。そんな中、新疆ウイグル自治区の公安当局が携帯電話のネット規制回避アプリを「第二級暴力テロアプリ」として取り締まりの対象としているという話題が注目を集めています。

 

ネットに投稿された「事件に関わるチェック表」によると、新疆ウイグル自治区昌吉州のあるネットユーザーは10月13日、携帯電話のネット規制回避アプリをダウンロードしたとして、公安の捜査を受けたといいます。このチェック表によると、このアプリによって携帯電話から様々な文書を送付することができると指摘しており、現地の公安当局はこのアプリを「第二級暴力テロアプリ」に指定しました。

 

このネットユーザーのアカウント名、ダウンロードした日時、携帯電話のアカウントや身分証明書番号から住所まですべて正確に把握されていました。

 

米国在住中国問題評論家 張健氏:「政府がこのような方法を採って、ネット規制を破った者をみなテロリストと見なすなら、スマホを持って海外旅行に出かけた中国人はみなテロリストということになる。外国を見聞したすべての中国人、とくに民主社会を体験した人はみなテロリストだというなら、中国政府は自分たちこそが最大のテロリストであり、中国国民に危害を与え、世界の平和と安定を破壊する元凶だということを、世界に向かって認めているのに等しい。」

 

香港紙『蘋果日報』によれば、問題のアプリは、VPNサーバーなど規制回避を支援する無料アプリ「fqrouter」であろうと推測し、中国政府が設置したファイヤーウォールを突破するために国内で広く使われているアプリだと指摘しています。同アプリは開発者が更新を行っていないため、昨年初頭には閉鎖され、現在ではほぼ無効の状態とのことです。

 

フランス国営ラジオ放送やボイス・オブ・アメリカなど外国メディアもこのニュースを取り上げ、批判しています。

 

北京在住の人権活動家 胡佳氏:「この事件によって中国のネット規制機関の思考回路がよく分かります。彼らは厳重なネット規制を敷くという違法を犯しながら、もしも国民が規制を乗り越えて世界を見るという当然の権利を行使しようとすれば、そんな行為は『違法』だと言って取り締まろうとするのです。」

 

こうした取締りの強化は現在のところ新疆ウイグル自治区といったセンシティブな地域に限るだろうと、ネットユーザーは考えています。

 

しかし、人権活動家の胡佳氏は、新疆ウイグル自治区ではVPNサーバーのチェックはずいぶん前から行われており、2009年のウルムチ事件から半年ほどで、同地域でのネットはほぼ麻痺した状態になっていると指摘しています。そして、政府は中国の他の地域でもこうした監視を容易に行えると指摘しています。

 

北京在住の人権活動家 胡佳氏:「今はまだある一定のグループや、ある一定の期間を対象にこうした取締りを強化しているのかもしれません。しかし、いつか内陸の都市部や沿海部などの経済が発達している都市にまで拡大しないとも言えません。何を『テロの危険のあるアプリ』に指定するか分かりません。」

 

胡佳氏によれば、中国国内のネットユーザーのうち、VPNの規制回避ソフトを使用している人は1%にも満たないと言います。グローバル化が進む世界で、中国がいまだに鎖国状態にあり、国民の表現の自由と知る権利を侵していることを表しています。

 

新疆ウイグル自治区以外の地域では、取締りが強化されていない今のうちに、人々がネット規制回避ソフトを使用し、ネット規制に抵抗すべきだと、胡佳氏は提唱しています。

 

世界自由情報運動の発起人である張新宇氏は、「中国政府自身もこうした取り締まりは馬鹿らしく無理があるとは知っている」としたうえで、「逆を言えば、規制回避行為を取り締まる技術を持っていないということの証明」と指摘しています。

 

世界自由情報運動発起人 張新宇氏:「中国政府は面子を気にしているのです。こんな方法ではなく、コンピューター技術やネット警察によって規制回避行為を防げるなら、アプリを『テロ指定』するなどという方法を採ることもなかったでしょう。そんな高度な技術がないために、どうしようもなく、こんなヤクザのような手段に出たのです。」

 

張新宇氏は、中国政府が新疆ウイグル自治区でネット規制を強化しているのは、同地区で後ろめたいことをしており、そうした事実がネットで外へ洩れることを恐れているからだと指摘しています。

 

『蘋果日報』は、中国政府は近年新疆ウイグル自治区で「反テロ」キャンペーンを強化しており、料理包丁を買うのにも実名制にしたほか、ウイグル族の民族料理であるソバ屋でも、ソバを切るのに使う包丁を竈の上に鍵つきで収納させるなど、荒唐無稽な取り締まりを行っていると報じています。

 

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/10/25/a1293207.html(中国語)

(翻訳/白白 ナレーター/根本 映像編集/李)

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