【新唐人2016年10月28日】
英ロイターの報道によれば、中国共産党中央紀律委員会が計画を進めている「役人の財産の公示」制度が、中国の汚職役人から強い反撥を受けているとのことです。反対者は中国政府の最高幹部層から末端の既得権益者まで広範囲に広がっており、体制的に腐敗しきった政府を改革するには自己監督では無理だと分析する声が出ています。
ロイターは、政権高層部と関係のある消息筋の話として、習近平政権は「役人の財産の公示」と「反腐敗法」の2つの反腐敗制度を設置すると表明しており、6中全会(第18期中央委員会第6回全体会議)の期間中に話し合われるだろうとの見解を報じました。この人物は、これらの計画は王岐山が苦心して推進してきたものだが、非常に強い反対に遭って方案が通らない可能性があるとも指摘しています。
香港誌『動向』が9月に報道したところによれば、5人の紀律委員会副書記が、現職の政府高官が国内外に所有する財産とその国籍について社会に公示し、退職した高官らの状況についても党内に公示すべきだとの提案を連名で行いました。
同誌によれば、王岐山は遅くとも来年には370人以上の党中央委員および候補委員の財産と国籍について調査を行いたい意向で、調査に協力しない者は昇級できず、また退職手続きも行えないようにすると言います。
現在、100以上の国と地域で役人の財産公示制度が実施されており、腐敗を防ぐために有効な制度であると考えられています。中国では1987年に法案が提出されましたが、30年経った今も実現されていません。
香港誌『争鳴』は、曽慶紅一家だけでも国内に430億~470億人民元の資産を所有し、12人の親族が海外に定住していると報じました。同誌が今年7月に報道したところによると、王岐山は曽慶紅を直接名指しして、「いつ財産公示に関する意見に署名をするのか」と迫ったといい、これは、曽慶紅がまだ意思表示を行っていないということを示しています。
そのほか、27の県と市で役人の財産公示を試行したところ、協力を得られず試みは失敗しました。末端の役人さえも財産の公示をためらっているのです。
「財産公示」をめぐって党内で激しい争いが繰り広げられていることについて、中国の民衆は冷めた目で見ています。青年を対象にしたあるネット投票では、5000人以上の投票者のうち90.81%が「財産公示を信用しない」と答えました。理由は「都合の悪い収入を隠し、財産を移すから」というものでした。この投票結果は政府内で監督を行うことに対し、民衆が信用していないことを表しています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/10/26/a1293309.html(中国語)
(翻訳/白白 ナレーター/根本 映像編集/李)