【新唐人2011年8月15日付ニュース】中国で起きた高速鉄道事故を受けて、当局は高速鉄道の各路線の速度を落とすことなどを決定。この速度低下について専門家は、中国の高速鉄道にとって、ひとつの転換点となるものの、事故を起こした真の原因ではないと指摘しました。
8月10日、中国当局は高速鉄道に対する安全対策を決定。建設されたばかりの高速鉄道は運行初期の速度を落とすほか、新たな高速鉄道の建設は、審査と認可を一時凍結。すでに認可したものは、改めて安全検査を行います。
7月23日、浙江省の温州市で、高速鉄道の追突事故が発生。大きな犠牲を出し衝撃を与えました。今回の措置はこの事故を受けたものですが、専門家は、真の原因追求はしていないと指摘します。
時事評論家 章天亮さん:「今 肝心なのは真相解明なのです。事故の原因は速度だけではなく、他にもあるはずです。それらを解決しなければ、速度を落としても真に安全問題を解決できません」
さらに事故は、どこかひとつの部門だけの責任ではないと続けます。鉄道の工事、設計、監督管理、さらに最後の審査、承認のほか、事故発生後の非常識な捜索活動、事故車両の破壊、証拠の隠滅などは、誰が命じたのでしょうか。
時事評論家 章天亮さん:「今 当局が指摘したのは問題の一部に過ぎません。たとえば10の可能性がある結果を招いたとき、当局は3つの可能性しか探しません。残りの7つは制度的な問題です。これを当局は触れません。ならば3つを解決しても残りの7つを解決しなければ将来大きな禍根を残すはずです」
鉄道省の元高官はかつてメディアに対し、今高速鉄道で起きている問題はたいしたことがないように見えるが、実際は深刻で、公表されていないだけだと暴露。たとえば、建設からわずか2年の路線ですでに40センチの地盤沈下が起きているといいます。北京と天津を結ぶ路線でも、地盤沈下が見られます。
カナダ・コンコルディア大学工学博士 竹学業さん:「中国の工事は速すぎます。これでは問題が起きます。高架橋の路線ならば橋の下の基礎が大切です。これには時間がかかります。基礎が未完成のままなら、開通した後に地盤が沈下します。だから工期の短縮は短期的には問題がなくても時間がたてば問題が起きます。多くは短期的には良くても長期的には災難を招きます」
たとえ政府が安全検査を実施しても、その結果は信用できないとの声もあります。
中国情勢アナリスト 南匈奴さん:「この穴を埋めてももっと大きな穴が出てきます。中国の高速鉄道問題は政府の信用度を反映しています。安全検査をするといってもどう検査するのか、検査結果に庶民は関与できません。腐敗撲滅キャンペーンと同じで検査するほど安全でなくなります。政府を信じることはできません」
現在、多くが密室で決められている中国の政治。これに多くの庶民がかかわれるようになることが肝心だと述べます。当局の政治体制が変わらなければ、何も望めないとも指摘しました。
新唐人テレビがお伝えしました。
【禁闻】高铁降速--动车事故祸首未解.html