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トランプ当選で中国が抱く期待と心配

2016年11月11日

【新唐人2016年11月11日】

中国はトランプ氏の米大統領当選について期待と心配が半々と、香港や台湾のメディアは報じています。中国にとって心配なのは、トランプ氏が米国の貿易を保護するため中国製品の輸入に規制をかけることです。アメリカの専門家は、この心配が的中する可能性は高いとし、アジアから米軍を撤退させることへの中国のも期待については短期的には実現しないだろうと予測しています。

 

トランプ氏は選挙中、中国政府の人民元切り下げによってアメリカの雇用が奪われたと批判してきました。そして、もし自分が当選したら財務長官に命じて中国に「為替操作国」のレッテルを貼らせると公言しており、さらに罰金として中国製品に45%の関税を課すとも述べています。

 

南カリフォルニア大学公共政策博士 叶科氏:「トランプ氏は公約したとおり、経済面でさらに強硬な政策を採るでしょう。」

 

ハーバード大学研究員 楊建利氏:「トランプ氏は、選挙民の利益を守るためにはこれまで主張してきたとおり保護主義的な政策を採り、アメリカの労働者の利益を守る必要があります。中国との間に貿易摩擦が生じるのは避けられません。」

 

トランプ氏は選挙運動期間中、在韓・在日米軍の縮小或は撤退を示唆しており、これはオバマ政権の「アジア太平洋回帰」の戦略を反故にするものです。

 

また、米国がアジア太平洋に回帰するのに重要な柱となるTPP協定についても、トランプ氏は離脱すると述べてきました。

 

香港・台湾メディアは地政学上、これは中国にとって有利な状況となると指摘しています。

 

一方、アメリカの専門家はアメリカの対アジア太平洋戦略は短期的には大きな変化はないと見ています。

 

南カリフォルニア大学公共政策博士 叶科氏:「新政権が発足したら、トランプ氏は党内と協力しなければなりません。民主党のみならず共和党までも敵に回せば、政権は安定しません。共和党が掲げる外交政策は一貫して強硬的なこともよく知られています。トランプ氏は政治の世界での新人として、政権運営のかなりの部分でチームや閣僚の手助けが必要です。」

 

ハーバード大学研究員 楊建利氏:「トランプ氏の外交ブレーンは右派、タカ派で固められており、他国への関与を減らすとトランプ氏が言っていても実現できるとは限りません。第二次大戦後にアメリカが担ってきた世界の安全を守るという責務は一朝一夕に放り出せるものではありません。それに、アメリカの対外政策が正しいものであれば、アメリカにとっても長期的な利益をもたらすことを、これまでの歴史が証明しています。」

 

専門家はまた、米中関係でもう一つ重要な中国の人権問題について、トランプ政権が過去8年間との区別を示すだろうとも予測しています。

 

南カリフォルニア大学公共政策博士 叶科氏:「共和党は人権問題に関してよく理解しており、良心の囚人からの臓器摘出を非難する決議案を議会で採択するなど、影響力のある共和党議員が積極的に活動しています。こうした状況のもと、共和党の政治リーダーがトランプ氏に与える影響力はオバマ大統領に与えるものよりも大きいと考えられます。アメリカでトランプ氏ができることは2つ。1つは民意に従うこと、もう1つは閣僚の考えに従うことです。アメリカは人権問題に対する政策について転換する時にさしかかっているのです。」

 

新唐人テレビがお伝えしました。

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2016/11/10/a1296048.html(中国語)

(翻訳/白白 映像編集/李)

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